帝国データバンク、全国企業倒産集計2024年報_「飲食店」倒産動向
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帝国データバンクは、 2024 年通年 (1 月~ 12 月 ) の企業倒産件数 ( 負債 1000 万円以上の法的整理が対象 ) について集計し、分析を行った。外食ドットビズではこのうち注目の倒産動向に取り上げられた「飲食店」倒産動向を掲載する。
飲食店の倒産が過去最多となった。 2024 年の倒産件数は 894 件で、前年 (768 件 ) 比で 16.4 %増加。 2020 年の 780 件を大幅に上回って過去最多を更新した。
業態別 (11 業態 ) では、最も多かったのは居酒屋を主体とする「酒場、ビヤホール」 (212 件 ) で、ラーメン店などの「中華料理店、その他の東洋料理店」 (158 件 ) 、「西洋料理店」 (123 件 ) が続き、いずれも過去最多となった。また、「そば・うどん店」 (27 件 ) 、お好み焼き店やハンバーガー店などが含まれる「その他の一般飲食店」 (65 件 ) も過去最多を更新した。
負債額規模別にみると、「 1000 万円以上 5000 万円未満」が 692 件 ( 構成比 77.4 % ) で最多となり、 1 億円未満の小規模倒産が 784 件 ( 同 87.7 % ) だった。
大手クラスでは近時、コスト削減や価格転嫁により採算が改善するケースもみられる。しかし、飲食店業界において大半を占める小規模事業者では、原材料や光熱費など各種コストの上昇の影響、さらにはコロナ禍からの経済回復により幅広い業態で人手不足となり、人材獲得のため賃上げなど人件費の増加が負担となっている。一方で、物価高による節約志向により価格転嫁が難しく、スケールメリットが生かせずコスト削減も困難なケースが多い。物価高は今後も続くとみられ、中小クラスを中心に競争にさらされた事業者の倒産や廃業は当面、高水準で推移するとみられる。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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