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外食トピックス

飲食店向け予約管理システム「ebica」、飲食店予約レポート2025_総括編

飲食店向け予約管理システム「ebica」を運営するエビソルは、飲食店の予約状況に関する最新のレポート「飲食店予約レポート2025」を発表した。これは、「ebica」及び「グルメサイトコントローラー」のデータを基に、2024年1月~12月における飲食業界の集客や予約に関する消費者の動向をまとめたもの。概要偏に引き続き総括編を掲載する。
■総括:2025年は飲食店の「インバウンドシフト」が本格的に加速する1年に
 「飲食店予約レポート2025」は、大手居酒屋チェーンからホテル・レストランまで、国内15,000店舗が導入する飲食店向け予約管理システム「ebica」のデータを基に、最新の飲食店予約に関する動向を分析したもの。
 飲食店来店数、ネット予約数、客単価の全ての数値において増加が見られた一方で、電話予約数は減少した。これは消費者による飲食店の予約スタイルが電話予約からネット予約へと移行していることを示しており、電話予約のみ受け付けている飲食店については消費者の予約機会の損失につながることが示唆される。また、ネット予約数はグルメサイトとダイレクト予約(オウンドメディア)がともに伸長している。消費者のネット予約への移行に伴い、店舗側も多様な予約プラットフォームを用意することが求められるだろう。
 また、インバウンド客によるネット予約が118%、特に「Googleで予約」が136%と大きく伸長したことは注目すべき点。2024年は、訪日外国人旅行者数が約3,687万人と過去最高を記録し、消費額も約8兆1,395億円に達するなど、インバウンド需要が大きく拡大した年となった。今回のデータで見られるインバウンドによる予約の好調の背景には、外国人にとって日常的なインフラである「Google」における「Googleで予約」機能の普及により、訪日外国人が日本の飲食店の空席をリアルタイムで検索・予約できる環境が整い、多くの外国人観光客にとって日本の飲食店へのアクセスが容易になったことが関係していると考えられる。この機能は、コロナ禍前~初期に「ebica」をはじめとした予約管理システムが「Google」と連携することで実現したもので、コロナ禍終息後の訪日需要回復に伴い、このサービスの利用が急速に拡大した。
 ネット予約が一般化したことで、訪日外国人による飲食店の予約は当たり前となり、多くの外国人が日本全国の飲食店に訪れるようになった。また、一部の先進的な飲食店では、外国人向けのメニュー開発、ヴィーガンやハラール対応メニューの導入、外国人向け体験コンテンツの提供、システムやメニューの多言語対応、外国語対応スタッフの採用・育成、決済システムの多様化、閑散時間帯のインバウンド予約促進など、積極的できめ細やかなインバウンド対策が進められている。これらの変化は、「これからの飲食店経営において、インバウンド需要の取り込みが必須である」=「“インバウンドシフト”が求められている」という業界全体の認識につながっている。
 「飲食店予約レポート2025」のデータは、飲食業界全体におけるインバウンド需要の重要性を改めて示すものであり、2024年のインバウンド予約の増加をきっかけとして、2025年は外食産業における「インバウンドシフト」が本格的に加速する1年になると予測される。事前予約型のインバウンド需要が更に増加することが期待され、飲食店が集客や予約管理の「インバウンドシフト」を行うことで、集客効率や客単価が向上するのみならず、計画的な仕入れや人員配置が可能となり、経営効率の向上にもつながることが見込まれる。

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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