飲食店向け予約管理システム「ebica」、飲食店予約レポート2025_概要編

飲食店向け予約管理システム「ebica」を運営するエビソルは、飲食店の予約状況に関する最新のレポート「飲食店予約レポート2025」を発表した。これは、「ebica」及び「グルメサイトコントローラー」のデータを基に、2024年1月~12月における飲食業界の集客や予約に関する消費者の動向をまとめたもの。外食ドットビズでは、概要偏と総括編の2回に分けて掲載する。
■来店数が前年比105%に増加、電話予約は減少した一方でネット予約が113%と好調
2024年は、年間を通じて飲食店の総来店数が前年比105%に増加した。特にネット予約の伸長が目立ち、前年比113%に増加した。一方で、電話予約は前年比93%に減少し、ネット予約への移行が進んでいることが明らかになった。飲食店にとっては営業中の予約対応の電話は人員リソースが割かれるため、電話予約の減少とネット予約の増加は効率的な店舗運営につながると言える。
ネット予約の経路別成長率を見ると、グルメサイト経由の予約が前年比114%、店舗公式サイトやLINE公式アカウントなどを含むダイレクト予約(オウンドメディア)が同111% となり、いずれも順調に成長を遂げていることがわかる。オウンドメディアからの予約には自社ホームページや会員アプリ、LINE公式アカウント、InstagramやXなどのSNS、「Googleで予約」などのGoogleサービスが含まれ、多様な消費者の検索導線に応じて「ダイレクト予約」の割合を高める動きが、各飲食店において重要となるだろう。一方で、依然としてグルメサイトからの予約数はダイレクト予約を上回っており、新規集客を含む重要な導線としてグルメサイトを並行して活用していくことも求められる。
■客単価は総合で109%に上昇、特に予約経由の客単価が114%と大きく成長
2024年の飲食店における客単価は前年比109%と上昇した。これは、物価高騰に伴うメニュー価格の改定が大きく影響していると考えられる。その中でも、予約経由の客単価は114%と高い伸びを見せており、予約経由の利用者が比較的単価の高いメニューやコースを選ぶ傾向が強いことが想定され、飲食店にとってネット予約の重要性がますます高まっていることを示唆している。
■インバウンド予約は118%と顕著に増加し過去最高に、特に「Googleで予約」は136%
訪日外国人によるネット予約数は、前年と比べて118%と大幅に増加し、過去最高の予約数となった。2024年は訪日外国人数が約3,687万人、旅行消費額が約8兆1,395億円と、いずれも過去最高を記録(日本政府観光局)し、インバウンド需要が大幅に増加した一年になったが、飲食店のネット予約においても大幅な増加が見られる結果となっている。「Googleで予約」経由の予約に関しても前年比136%と、高い数値となった。また、全体における絶対数は少ないものの、OTA(オンライン旅行予約サイト)経由による予約が前年比200%となったことも注目すべき点。「Googleで予約」では、席のみの予約だけが可能である一方で、OTAではインバウンド向けの特別なコースなども掲載されている。外国人観光客のニーズとして、より日本を楽しめる専用のコースを楽しみたいという意向があることが示唆される結果となった。
■1組あたりの平均人数は、19年4.8人→23年4.0人→24年4.1人と堅調に推移
2024年10月の1組あたりの平均来店人数は、4.1人となった。2019年10月の4.8人と比べると減少しているものの、2023年10月の4.0人と近い数字になり、堅調に推移している。ランチ/カフェタイム(11時~16時)、アーリータイム(16時~18時)、ピークタイム(18時~21時)といった時間ごとのデータにおいても概ね同じ傾向となった。これは、アフターコロナの動向として、法人や学生サークルなどによる大型の宴会利用が減少し、少数グループによる宴席が定着したことが伺える。グループサイズに関してはコロナ禍以前のサイズには戻らない一方で、来店数は伸びていることから、外食需要は引き続き活況を呈すると考えられる。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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