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サッポロビール、ビール産業の持続的発展に貢献する次世代大麦を開発

サッポロビールは、気候変動による降雨量増加への耐性と、ビールのおいしさを長持ちさせる性質を併せ持つビール醸造用の大麦を新たに開発したと発表した。

近年、地球温暖化による気候変動の影響で、農産物の品質の低下や収穫量の減少などが懸念されている。同社の気候変動シナリオ分析では、地球温暖化で将来のビール原料の価格が高騰すると見ており、 2100 年時点で平均気温上昇が 4 ℃以上となる想定の場合、ビール主要原料の大麦の同社年間調達額は 2030 年には約 2 億円、 2050 年には約 5 億円増加すると予想している。

この新たに開発した大麦は、いずれも同社が開発した 2 つの大麦を交配した大麦。 1 つ目は、 2022 年に世界で初めて開発した ( 同社調べ ) 「 N68-411 」大麦で、収穫時期の長雨により発生する穂発芽への耐性を持ち、ビールの製造工程でも加工しやすい性質がある。 2 つ目は、「旨さ長持ち麦芽」の原料となる、ビールの風味を劣化させる成分 (LOX-1= 脂質酸化酵素 ) を持たない「 LOX レス大麦」で、香味耐久性と泡持ちを向上させ、ビールのおいしさを維持することができる性質を持っている。つまりこの大麦は、気候変動にともなう降雨量増加への耐性と麦芽成分のバランスを向上させる性質を併せ持つ大麦と、現在「サッポロ生ビール黒ラベル」でも一部使用している「旨さ長持ち麦芽」の原料となる「 LOX レス大麦」を交配したことにより、新たに生まれた大麦。気候変動への耐性という環境面と、ビールの旨さという品質面の 2 つの持続可能な特性を兼ね備えた、いわば次世代の大麦だ。

同社では、「サッポロ生ビール黒ラベル」に、この新たに開発した大麦を使用して試験醸造したところ、検査員の評価において従来の「サッポロ生ビール黒ラベル」との味覚的な類似性が高いと判定され、製品としての実用化にむけた障壁の低さが示された。今後は、さらなる品質の向上と収量の安定化を図るとともに、育種パートナーとの連携により 2030 年までに新品種の登録出願を目指し、新しい楽しさ・豊かさを発見してもらえるモノ造りを進め、次世代のビールづくりに貢献していきたいとしている。

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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