帝国データバンク、9月は過去最高値!「カレーライス物価指数」を分析
帝国データバンクは、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算し分析を行った。これは、総務省「小売物価統計」から、カレーライスの具材となるじゃがいもなどの材料や、電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格を基に、それぞれの分量や各調理工程の分あたりエネルギー使用量を配分し算出したもの。
家庭の食卓で人気のメニュー「カレーライス」の調理費用で、過去最高値を更新する値上がり局面が続いている。カレーの調理に必要な原材料や光熱費等の価格 ( 全国平均 ) を基に算出した、カレーライス 1 食当たりのトータルコストを示す「カレーライス物価」は、今年 9 月に 364 円となった。 360 円を突破したのは過去 10 年で初めてで、 6 ヶ月連続で最高値を更新した。一年前の昨年 9 月 (307 円 ) から 57 円の大幅上昇を記録し、物価高の影響が深刻化している。野菜を中心とした「カレー具材」の価格が落ち着きつつある一方で、コメ価格高騰の影響を受けた「ライス」が 1 食 131 円と記録的高値を更新したことが、カレーライス物価の上昇に強く作用した。
カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約 6 割を占める「カレー具材 ( 肉・野菜 ) 」で、前年同月から 16 円増の 205 円だった。輸入牛肉の価格は円安を背景に上昇が続いたものの、ジャガイモなど野菜類の価格が年内のピーク時から下落基調で推移し、 2 ヶ月連続で前月を下回った。他方で、「ごはん ( ライス ) 」価格は 131 円と前年同月 (90 円 ) から 41 円の大幅増だった。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」 (3 円→ 4 円 ) は 1 円増、「カレールー」 (25 円、変化なし ) は価格の変動がなかった。
カレーライス物価を基に、 2020 年平均を 100 とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、今年 9 月の指数は 133.1 となり、 5 年間で 3 割を超える上昇率となった。同指数の前年同月比では 18.8 %上昇し、 16 ヶ月連続のプラスとなった。
東京都区部の物価動向を基に予想した 10 月のカレーライス物価は、 1 食 380 円に到達する可能性がある。野菜類では、ジャガイモなどで値下がり傾向が見られ、「カレー具材」が 6 ヶ月ぶりに 1 食 200 円を下回る可能性がある。他方で、足元では 2024 年産米を中心に店頭価格ベースで前年比 3 ~ 5 割高となる大幅な価格高騰がみられ、野菜類の値下げ効果を上回る価格上昇圧力がかかる見通し。なお、コメ 5kg 価格が全国平均で 4,200 円台に到達した場合、カレーライス物価は過去 10 年で初となる 1 食 400 円台まで上昇する可能性がある。カレーライス物価は、当面の間、例年に比べて大幅な高値圏での推移が予想される。
※材料:ニンジン・ジャガイモ・タマネギ・牛肉 ( 輸入 ) ・コメ ( コシヒカリ 1 食 200g 換算 ) ・カレールー ( 市販 ) ・食用油
※エネルギー:電気 ( 炊飯器での調理 / 約 7 合分の炊飯+ 6 時間の保温を加味 ) ・ガス ( 強火・中火・弱火の各調理手順 ) 、水道水 ( 上水道分のみ、下水道使用料は除く / 食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない )
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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