日本百貨店協会、9月の百貨店売上高は31ヶ月連続で前年同月を上回る

日本百貨店協会は、調査対象百貨店 70 社･ 178 店の 2024( 令和 6) 年 9 月度の全国百貨店売上高概況を発表。売上高は 4229 億 2411 万円 ( 店舗調整後前年比 2.3 ％増 ) 、入店客数も 1.6 ％増と、共に 31 ヶ月連続で前年を上回った。

9 月は、増勢が続く高付加価値商材とインバウンドが牽引した。猛暑日が続く記録的な残暑の影響を受け、秋物等季節商材の動きは鈍かったが、夏物アイテムや UV ケア商品等は好調に推移した。各社が企画した物産展などの食品催事、外国展、外商顧客催事等各種施策も売上と集客に寄与した。コロナ前の 2018 年比は 4.4 ％増であった。

インバウンドは、為替相場が円高に振れる中、売上高 397 億円 (21.6 ％増 /30 ヶ月連続 / シェア 9.4 ％ ) 、購買客数 45 万人 (40.8 ％増 ) と、共に 9 月として過去最高を記録。 1 ～ 9 月の売上高累計は 4,838 億円 (116.7 ％増 ) で推移しており、すでに前年の年間売上 (3,484 億円 ) を超え、 38.9 ％増となっている。一方、国内市場は、高付加価値商材が好調で、前月より 0.4 ポイントアップの 0.6 ％増 ( シェア 90.6 ％ ) と 2 ヶ月連続プラスに。

都市 (10 都市 ) は、インバウンド需要と高額消費などから京都、福岡など 8 地区で対前年増。東京は、一部店舗の改装工事に伴う影響もありマイナス転換。地方 (10 都市以外の 7 地区 ) は、 4 地区で対前年増となり、 3 ヶ月ぶりにプラス転換。近畿はインバウンド効果などから 6.0 ％増と伸長。

商品別では、主要 5 品目のうち 4 品目で前年実績をクリア。ラグジュアリーブランドのバッグなど身のまわり品や、時計、美術･宝飾等は引き続き好調。化粧品は UV ケア、フレグランスの他、秋の新作コスメやイベントも好評で二桁増。主力の衣料品はカジュアルウエアや薄手の羽織物等の他、下旬の気温低下によりジャケットなども動く。食料品は価格高騰などの影響から前年割れとなったが、菓子はインバウンドやギフト需要、彼岸等の歳時記や栗などを使用した季節商品も好調で 3 ヶ月ぶりにプラス転換。

商品別売上高は、食料品が 982 億 2589 万円 ( 店舗調整後･前年増減率 1.6 ％減 ) 、食堂喫茶 102 億 954 万円 ( 同 0.8 ％減 ) 、衣料品 1109 億 9320 万円 ( 同 0.9 ％増 ) 、身のまわり品 734 億 7338 万円 ( 同 2.2 ％増 ) 、雑貨 992 億 1116 万円 ( 同 6.4 ％増 ) 、家庭用品 155 億 9080 万円 ( 同 8.3 ％増 ) 、サービス 35 億 797 万円 ( 同 11.2 ％減 ) 、その他 117 億 1216 万円 ( 同 16.8 ％増 ) 、商品券 44 億 7407 万円 ( 同 4.8 ％減 ) であった。

記事配信・制作協力／外食ドットビズ