日本フードサービス協会、令和5年の外食産業市場規模推計値を公表

日本フードサービス協会 (JF) は、令和 5 年 (2023 年 1 月～ 12 月 ) の外食産業市場規模推計値を公表した。コロナ禍 4 年目となった同年の外食産業は、 5 月に新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが｢ 5 類｣に変わり、コロナによる行動制限が解除されたことで人流が回復したこと、物価高を背景にメニューの価格改定が継続したこと、また、 4 月に入国規制などの水際対策が終了し、インバウンド需要が回復したこと等から外食産業の市場規模は 2 年連続して前年を上回り、 20.2 ％増加の 24 兆 1512 億円 (2019 年比 8.1 ％減 ) と推計された。

飲食店、宿泊施設、社員食堂、病院給食などを含む｢給食主体部門｣の市場規模は、市場規模全体の 84.0 ％を占め、 20 兆 2793 億円と、前年より 18.3 ％増加した。

｢給食主体部門｣のうち、飲食店、宿泊施設などの｢営業給食｣の市場規模は、全体の 70.8 ％を占め、 17 兆 1052 億円で、前年より 20.9 ％増加。この内、｢飲食店｣の市場規模は、前年より 18.6 ％増加し、 14 兆 1313 億円となった。内訳をみると、ファミリーレストランや一般食堂、専門料理店等を含む｢食堂･レストラン｣ ( 対前年比 19.4 ％増 ) 、立ち食いそば･うどん店を含む｢そば･うどん店｣ ( 同 25.4 ％増 ) 、回転寿司を含む｢すし店｣ ( 同 15.6 ％増 ) 、ファーストフードのハンバーガー店、お好み焼き店を含む｢その他の飲食店｣ ( 同 12.4 ％増 ) はいずれも増加した。

ホテル、旅館での食事･宴会などの｢宿泊施設｣の市場規模は、宿泊客の増加やインバウンド需要の回復などで、前年より 30.9 ％増加した。

また、｢給食主体部門｣のうち、｢集団給食｣の市場規模は、全体の 13.1 ％を占め、 3 兆 1741 億円と、前年より 6.2 ％増加した。この内、｢学校給食 ( 主として小･中学校等の給食で大学の学生食堂は含まない ) ｣は、給食実施数は減少したものの、給食費が上昇したため前年より 4.0 ％増となった。｢事業所給食｣は、メニュー単価の上昇傾向や、雇用者数の増加傾向、テレワークからオフィスワークへ回帰する動き等から、｢社員食堂等給食｣は 10.6 ％増、｢弁当給食｣は 9.5 ％増となった。｢病院給食｣は、入院時食事療養費が増加し、前年より 2.8 ％増加した。｢保育所給食｣は、在所者数の減少傾向から前年より 0.7 ％減少した。

｢料飲主体部門｣の市場規模は、全体の 16.0 ％を占め、 3 兆 8719 億円と、前年より 31.0 ％増加した。宴会需要なども中小規模のものから少しずつ戻り、持ち直し傾向が続いた。この内、｢喫茶店｣は 1 兆 1892 億円 ( 前年比 19.9 ％増 ) 、｢居酒屋･ビヤホール等｣は 9152 億円 ( 同 37.9 ％増 ) 、｢料亭･バー等｣は 1 兆 7675 億円 ( 同 35.9 ％増 ) となった。

一方、持ち帰り弁当店や惣菜店などの｢料理品小売業 ( 事業所給食中の弁当給食を除く ) ｣、いわゆる“中食産業”の市場規模は、 7 兆 6316 億円と、前年より 3.1 ％増加した。

外食産業市場規模に、｢料理品小売業 ( 重複する弁当給食を除く ) ｣の市場規模を加えた｢広義の外食産業市場規模｣は、 31 兆 7828 億円で、前年より 15.6 ％増加した。
※推計値には消費税を含む
※外食産業の分類は、基本的に｢日本標準産業分類 ( 総務省 ) ｣ ( 平成 14 年改訂 ) に準ずる

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