まだ見ぬスペシャルな絶景とそこで飲む究極の1杯を求め、全国津々浦々を旅してきたサッポロビールの特別企画、SAPPORO OVER QUALITY。第11回目となる今回の舞台は、東日本を代表する大温泉地、箱根に決定。『あれ? 意外と首都圏近郊じゃない?』と感じたご愛読者の方々、ご安心ください。今回の見せ所は、風景よりもむしろセッティング。芦ノ湖を見下ろす高台に、足湯温泉をDIYで設置。お墨付きの風景と無謀な手作りで、今回も皆様の度肝を抜いてみせましょう。幸か不幸か、観測史上稀に見る早さの初雪にも恵まれたミラクルOQ in 箱根、いざ開幕!
当初、青空と芦ノ湖をセットにした気持ち良い画を狙うつもりだった今回の撮影。が、蓋を開けてみれば、撮影前日はまさかの大雪。とんでもない大ドンデン返しを食らうも、それはそれで良いじゃないと、早速持ち前のポジティブマインドを発揮するチームOQ。逆にハイテンションで士気を高め、箱根駅伝のコース(※)でもある道中を進む。
真っ白に色付いた箱根駅伝コースを経て現場に到着すると、案の定、そこも一面の銀世界。ロケハン時のイメージは完全に忘れ、改めてシューティングポイントを確認。目の前には箱根の象徴である芦ノ湖が。まさかの雪景色とはいえ、この壮大なヌケ感はやっぱり良い。湖面から蒸気霧が立つ幻想的な風景も、この突然の寒さの賜物だ。
最高の乾杯を得るためには、どんな労力も厭わない。それゆえ、毎度機材は超大量。そこに今回は足湯を組むための木材も加わり、恐ろしく膨大な荷物の山が完成した。これには流石のクルーも意気消沈。その時、2人の若手スタッフが率先して重量物を運び始める。お陰でようやく全員のエンジンも始動。チームワークって素晴らしいですね。
前方の芦ノ湖に気を取られつつも、振り返ってみれば全身に雪化粧を纏った富士山が鎮座。この季節ならではの澄み切った青空から顔を覗かせる白富士は、神々しいほどに美しい。前門の芦ノ湖、後門の富士山。足湯に浸かりながらこのW景色を眺められるという、恐ろしく『乙』な寸法だ。フォトグラファーU氏、ナイス場所選び!
もはやお馴染みのSAPPORO OVER QUALITYのランドマーク、ティピテントも当然設営。勝手知ったる作業だが、この雪の足場の中に直径5m×高さ3mにも及ぶ超巨大テントを立てるのは、なかなかの重労働。うっかり手袋を忘れてしまったスタッフの手は、瞬く間に真っ赤っ赤。「て、手が冷たい……」って、そりゃそうだ。
手慣れたテント設営は人数を少なめに抑えつつ、こちらには最大限の人員が集結。ご察しの通り、ここは今回の主役である足湯の製作現場。電動ドライバー、トンカチ、ノコギリなど、到底ビールの撮影とは思えないハードギアを持ち込み、建築現場さながらに木工に打ち込むスタッフたち。我々、もう何屋なのかわかりません。
ここは箱根。いくら野外の手作り足湯とは言え、当然お湯は温泉でなくちゃ意味がない。というわけで、近場の温泉スタンドにて天然温泉を入手。数個のポリタンクで数え切れないほどの往復を繰り返し、なんとか足湯と呼べるまでにお湯を張ることに成功した。元々の湯温が高温なため、張り終わる頃には湯加減もちょうど良い具合に。
お湯を張り終えたら、後は実際に足を入れるだけ。と、その前に。最後の仕上げとして、スタッフH氏作のSAPPORO OVER QUALITYオリジナル暖簾が登場! しかもご本人、いつの間にか浴衣まで着ちゃってる! これには現場も大盛り上がり。「寒い寒い!」と言いつつ着々と細部を固めるその姿に、プロの魂を見た。
諸々の準備が整ったら、いよいよ足湯にIN! ただでさえ極寒の雪が積もる箱根にて、浴衣姿で手作りアウトドア足湯に浸かるその姿は、もはやちょっとした悪ふざけ? けれど、それで良いんです。最ッッッ高の乾杯を実現するために、大人が本気で楽しみながらシチュエーションを作り上げる。それが我らSAPPORO OVER QUALITY!
ひとしきり足湯でポカポカしたら、今度はジャパニーズ温泉街のスタンダード、温泉卵作りに挑戦。調理は、前日の降雪にビビって急遽用意した薪ストーブの蓋の上。もちろんここでも、お湯は天然温泉を使用する。目指すは白身も黄身もトロットロの半熟状態。温度調整が至難の技だが、果たしてウマくできるのか?
温泉卵の完成を待っていると、どんな絶景もさらに美しく変えるマジックアワーに突入。険しい箱根の山々と芦ノ湖も、キレイな黄金色に染まり出す。そうそう、箱根と言えば、今年もサッポロ生ビール黒ラベルの『箱根駅伝缶』(※)が発売。出場20校と関東学生連合1チームのタスキをモチーフとした、数量限定のスペシャルデザインだ。
夕映えの芦ノ湖に見とれている最中、ふと気付く。「……温泉卵!」。急いでお湯から救出しテントの中へ。祈るような気持ちでムきムきすれば、出てきたのは黄身まで完全に火が通った、見事なまでのゆで卵。一瞬の沈黙の後、誰かが言った。「ま、まぁ温泉で茹でたんだから、これも立派な温泉卵でしょ!」。なるほど、衝撃的にポジティブですね。
まさかの前日大雪という非常事態に見舞われながら、大学駅伝の聖地、箱根で強行した第11回目のSAPPORO OVER QUALITY。気温は極寒、辺りは一面銀世界。決してグッドコンディションとは呼べないこの状況の中で、額に玉のような汗を作りながら、DIYで野外足湯を製作。試行錯誤と泥臭い努力を積み重ね実現した、恐らくどんなアウトドアマンも経験したことのないこの快(暴)挙。その達成感と天然温泉の温もりを感じながら、遂にこの瞬間に辿り着く。これが最ッッッ高の乾杯だ!
幾つもの困難を乗り越えて作り上げたスペシャルセッティングで、最高の乾杯を味わう本企画。そのハードな撮影に同行したサッポロビール社員の、生の声を書き起こす連載コラム。それがSAPPORO OVER QUALITY PEOPLE。極寒の雪の箱根にて、社員Y氏が体験したリアルな現場感が語られる。
「今回は、何と言っても雪ですよね。まったく想定外の事態でしたが、1日早ければ完全に撮影できなかっただろうし、1日遅かったとしても、ガリガリに凍り付いた雪がまだらに残っている状態では難しかっただろうし。結果としては、当初の思惑よりも遥かに素晴らしい完成度に仕上がったと思います。天気は良好、辺りは見渡す限りの銀世界。眼下に芦ノ湖、背後には富士山。そこに手作りの足湯ですからね。偶然と必然が奇跡的に重なり合った、過去すべての回を超える、まさにオーバー・ザ・オーバークオリティなシチュエーションが撮影できたんではないでしょうか。『和』の世界観も新鮮でしたし、箱根という身近な土地でここまでヤレてしまうのかと、心底感心させてもらいました」。