長く厳しかった冬を終え、待望の春の幕開けを目前に控えた3月下旬。そんな今時期のお楽しみといえば、日本の春の風物詩、お花見。満開の桜の木の下で仲間たちと飲む1杯は、まさに格別の味わいだ。我々チームSAPPORO OVER QUALITYも、この春1発目のビッグイベントにアプローチ。壮大な富士山を目の前に臨むシチュエーション、他では真似のできないセッティング、手作りの食事、そしてちょっと贅沢な上質ビール。日本全国を席巻するお花見フィーバーを先どった、オーバークオリティなお花見をご覧ください。
今回、オーバークオリティなお花見を実現するための舞台に選んだのは、静岡県富士宮市の某地。富士の麓に河津桜が咲き誇る、地元でも知る人ぞ知るシークレットスポットだ。近くには、富士山から湧き出た天然の清水が流れ落ちる自然の滝が。撮影チームは当日、現地に入る前にここに立ち寄り、その天然水をGET。何に使うのかは後半までのお楽しみで。
富士の地中に眠るミネラルをたっぷり吸った、天然のミネラルウォーターを流れ落とす滝のマイナスイオンに包まれ、つい長居してしまうチームスタッフ。ポチャっと手を浸けてみると、流石は湧き水、身震いがするほどに冷たい。「ここでビール冷やしたら、なんかイイね」。不意に出た思いつきに全員賛同。早速ヱビスビールを投入し、乾杯の瞬間に備える。
ここら辺りは本ワサビの産地としても有名。周囲には幾つものワサビ園が点在する中で、そのウチのひとつに協力を依頼。実際に土から生えるワサビを採らせてもらった。土から抜いてみると……。ん? これがワサビ? 想像と随分違うけど……。土を落とし、枝を払っていくと、ようやく見覚えのあるカタチに。って、ワサビなんか採ってどうするの?
滝、ワサビ園と、2箇所で道草を食いつつ、ようやく現地に到着したのは午前9時。目の前にはピンクに色付いた河津桜が咲き誇る。しかしながら、ドーンと聳え立つはずの富士山には厚い雲が……。空色はグレー。見事なばかりの曇天模様である。思わず口をつぐむスタッフ一同。とはいえ、落ち込んではいられない。必ず晴れることを信じ、準備開始!
キラリと光るゴールドの下地に、SAPPORO OVER QUALITYのオリジナルロゴがペイントされた、何やらでっかい板にビスを打ち込むスタッフ。随分と大掛かりな作業だが、これは果たして? ロケ先の不安定な地面、限られた道具、迫り来るタイムリミット。様々な制約条件の中で悪戦苦闘するスタッフH。落ち着け!
先ほどのでっかい板に丁番を取り付け、計4枚の板を繋ぎ合わせると、なんと特製のSAPPORO OVER QUALITYオリジナル屏風が! 今回の『お花見』というテーマに合わせた、ジャパニーズスタイルのビッグプロップが完成した。ちなみにこちらは、すべてスタッフのハンドメイド。夜なべをした甲斐がありました。
ゴールドのオリジナル屏風の前には、こちらも当日この場で組み上げた小上がりを設置。さらにその奥には和傘も登場。峠の茶屋さながらの、純和風セットを作り上げた。桜のピンクと赤のコントラストは、まさに日本の春を象徴するかのような風情ある佇まい。あとはこれで富士山さえ出てくれれば文句なしなんですが……。
小上がり、和傘、屏風と、ジャパニーズスタイルのお花見セットを目指す今回のSAPPORO OVER QUALITY。しかし我々チームスタッフは、それだけでは満足しない! さらにお花見的な雰囲気を演出するために用意した装飾物。それが提灯。テントを飾るガーランドの代わりに、不安定な足下の中、脚立に登りズラズラっと連提灯を取り付ける。
オーバークオリティなお花見には、当然オーバークオリティな食事が付き物。もちろんそれも、このセッティングなら和食に限る。そこでチョイスしたのが日本蕎麦。『蕎麦打ち名人』を自称するスタッフが腕によりをかけ、冒頭で近場の滝で汲んだ天然水を使用し、特製蕎麦打ちを作ることに。打ち上がった蕎麦はテント内でサクサクと切り分ける。う、上手い……。
現地に到着する直前、滝に続いてもうひとつ立ち寄ったワサビ園。そこで手に入れた本ワサビも、何を隠そう蕎麦のため。「練りワサビとは全然違うから、ちょっと食べてごらん」。ワサビ園のお母さんにそう言われていたのを思い出し、摩り下ろしたワサビを恐る恐る口に運んでみると、驚くほどに爽やか、かつまろやか。やっぱり採りたての本ワサビは全然違う!
お手製の手打ち蕎麦とヱビスビール。その組み合わせだけで十分に贅沢だが、ビールのアテになるプラスアルファのおつまみとして、燻りがっこも作成。桜の樹の下で拾った落ち枝を水に浸ければ、桜の薫りを漂わせる即席スモークウッドの完成だ。準備してきたスモーカーの中にタクアンをセットし、火を着けたチップに桜ウッドを投入。あとは喉を鳴らして待つのみ。
燻りがっこが完成する頃合いを見て、特製の手打ち蕎麦を茹で上げる。薬味と採りたておろしたての本ワサビを添えれば、外ゴハンとは思えない、まさにオーバークオリティな食卓が完成! さらに桜の薫りを纏ったタクアンも切り分け、さぁいよいよ準備万端。最ッッッ高の乾杯はすぐ目の前だ! あとは富士山の出現を祈るのみ!
日本全国の早咲き桜を探すところから始まり、徹夜での屏風製作、早朝の出発、手打ち蕎麦のための天然水とワサビの調達、そして、現場で手作りした和風プロップ。そんな幾つもの行程を経て、ようやく完成したオーバークオリティなお花見セット。あとは富士山の出現を待つのみ。スタッフ全員、意識をひとつに集中し空に願いを掛けること約1時間。にわかに雲が動き出し、遂に富士山が顔を出した。今だ! 黄金色に輝くヱビスビールをグラスに注ぎ、最ッッッ高の乾杯を完成させた。