八重山諸島は、竹富島と小浜島の中間辺り。地図にも載らない秘密の場所に、潮が引いた時間だけ顔を出す幻の島、人呼んで“浜島”が存在する。その名の通り、足下はすべて白い砂浜。周囲は見渡すかぎりの八重山ブルー。そんな一瞬の奇跡が生み出す、まるで別の惑星のように幻想的なスペシャルビーチでクリスマスパーティーをやってみたい! 苦労やトラブルは百も承知。けれどそこに敢えて挑むのが、我らチームSAPPORO OVER QUALITY!!
12月某日、午前6時30分。まだ夜も明けきらないうちから、チームSAPPORO OVER QUALITYの1stミッションが始動。奇跡のビーチクリスマスパーティーを実現するため、ほんのひと時しか姿を現さない幻の島を目指して出航する! けれどチャンスは一瞬、掛かる時間は測り知れず……。最高の乾杯への道のりに、スリルとリスクは付き物なのだ!
あと少しで浜島到着という頃。曇り時々雨となっていた天気予報とは裏腹に、美しい朝日が水平線からひょっこり! 日頃の行いが功を成したのか、お天道様もSAPPORO OVER QUALITYの門出を祝してくれている。揺れる船上から日の出を望んだチームメンバーも、これでホッとひと安心。あとは最高のビーチクリスマスパーティーを作るのみ!
出航から約30分後、浜島へ到着。エンジンを止め、アンカーを下ろし、可能な限り船を手繰り寄せる力自慢のチームスタッフ。ちなみに今回チャーターした船は、チーム人数と膨大な荷物の量に合わせ、通常のレジャー船より若干大きめ。これでどこまで浜に接近できるのか。搬入搬出の労力は、この距離に掛かっている。船長! お願いします!
水深を見計らい、どこまで船を近づけることができるか船長が模索している間に、船へと積み込んだ膨大な荷物を仕分けるチームスタッフ。この瞬間、誰もが思った。「なぜこんなに持ってきてしまったんだ」……と。とはいえ、今さら後悔しても時既に遅し。絶対に使わないモノ以外は、すべて浜島に上陸させなければならない。
なんとか少しでも浜に近づきたい……。チームメンバー全員の必死の願いを汲みつつも、船長がポツリと口を開く。「この辺が限界だなぁ」。そこは島からおよそ40m。斥候が飛び込んでみると、水深はまさかの肩下ほど! この深さであれだけの荷物を運ぶとか……、絶対正気じゃない! だけどもう後には戻れない。心を決める時が来た!
腹をくくり、いざ海へ入ってみると、水温は驚くほど温かい。幸いこの日は風も弱く、太陽だってバッチリ出ている。これならイケる。スタッフたちに安堵の表情が戻ってきた。テントやツリーなどの大物はシーカヤック。その他の人が担げるサイズの荷物は、各人が頭上に掲げて運搬。その様は、まるで江戸時代の大井川の徒渡しさながら。
荷物をすべて搬入し終えると、気付けば周囲はすっかり朝の光。心配だった天気も、今や快晴といえるほどだ。ジリジリと照り付ける太陽は、これが本当に12月なのかと疑いたくなるほど。とはいえ、浜島が顔を出している時間は僅か。戻ってきた夏を楽しむ余裕もなく、直径5m×高さ3mの巨大テントを一気に広げ、猛ダッシュでセッティング!
ここからは時間との勝負。如何に効率よく、そして素早くセッティングを行うかが鍵となる。と、ここで、クリスマスツリーに緊急事態発生! ジョイント部分の径が合わないという、完全なる初期不良が発見された! なんとかペンチで応急処置を施し、半ば無理やりドッキング。一瞬絶望を覚えたが、どうにかチームワークで乗り切り3mツリーが完成!
強風で吹き飛ばされそうになるテントを、2人掛かりで押さえつける。って……おや? スタッフの服も空の色も違くない? 気づいた貴方の洞察力は素晴らしい。実はこちらは、前日の1stアタックで撮影された1枚。つまり、今までの写真はすべて2日目分。初日はご覧の強風のため、撮影を断念していたのだ。すこぶる諦めが悪いのが、我々の性分だ。
トラブルを乗り越えツリーを完成させたら、お次はクリスマスらしいデコレーション。テントと同じく全高3mの巨大仕様には、必要となる装飾の数も桁違い。バランスを見ながら色とりどりのボールオーナメントを配置する。最後の仕上げは、頂点に輝く星のオーナメント。SAPPORO OVER QUALITYに相応しいアイコンだけに、ここの設置は超重要!
巨大なテントにクリスマスツリー。海風と闘いながら、SAPPORO OVER QUALITYの記念すべき第一弾“ビーチクリスマス”における、2つのランドマークが遂に完成! さらにアウトドアデコのお約束、ガーランドも橋渡し。こちらはなんと、フォトグラファーのハンドメイド。我々は、細部の飾り付けに至るまで手を抜きません!
スペシャルなクリスマスパーティーには、豪華フードも必要不可欠。食卓を彩るのは、もちろん丸鶏のローストチキン。石垣島随一のシェフにオーダーしたチキンは、味も見た目も文句なし! この美しい形状を崩さず島へ持ち込むことにも、スタッフは細心の注意を払った。そして遂に、すべての準備が完了。穏やかな波の音が包む浜島に、グラスの音色が鳴り響く!
夜明け前から出航し、海に浸かりながら荷物を運搬。海風に悪戦苦闘しつつ、島が波間に消えるまでの僅かな時間で作り上げた、型破りかつ超贅沢なビーチクリスマスパーティー。例え一瞬だったとしても、この完成度は、まさにオーバークオリティ! そして迎えた、すべての努力が報われる至極の瞬間。追い求めていた最ッッッ高の乾杯が、今ここで実現した!