日本フードサービス協会、2023年12月度の外食産業動向を発表
日本フードサービス協会(JF)は、会員企業(有効回収事業者数231社・店舗数36,707店)を対象とした2023年12月度の外食産業動向を発表した。なお、本調査は、新規店も含めた全店データを業界全体および業態別に集計し、前年同月比を算出したもの。
コロナ5類移行後初めての年末となった12月は、天候にも恵まれ、忘年会やクリスマス、帰省などで外食需要が好調に推移し、インバウンド需要も引き続き好調で、外食全体の売上は前年比111.0%、19年比111.2%となった。特に、4年ぶりにコロナによる行動制限のない忘年会シーズンを迎え、飲酒業態では法人宴会の回復が見られた。
全体および業態別の対前年同月比は以下の通り、( )は2019年比
■全体【売上高111.0%(111.2%)・店舗数99.3%・客数105.3%・客単価105.4%】
■ファーストフード業態 【売上高109.5%(123.0%)・店舗数100.3%・客数103.7%・客単価105.6%】
FFは好調が継続し、全体売上は109.5%、19年比で123.0%となった。業種別売上は、「洋風」は期間限定品やクリスマス需要が好調で109.7%となった。「和風」は、テレビCMの効果もあり、季節限定メニューの売れ行き好調で113.6%。「麺類」は、飲み会後の利用が増えたほか、保温を工夫した持ち帰り商品が好評で110.8%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」でクリスマスや年末の持ち帰り需要や価格が高めの商品が堅調で、客単価が上昇し、102.6%となった。「その他」は、「アイスクリーム」のクリスマス用アイスケーキが好調で109.7%となった。
■ファミリーレストラン業態【売上高112.4%(103.7%)・店舗数98.9%・客数109.4%・客単価102.7%】
FRの全体売上は、前年比112.4%、19年比では103.7%となった。業種別売上高は、節約志向により低価格商品に対する根強い需要がある一方で、年末年始には高価格のキャンペーン商品なども好調で、「洋風」は112.0%。「和風」は、宴会需要の回復もあり113.8%。「中華」は、持ち帰り需要の堅調とビール消費の増大で113.1%。「焼き肉」は、引き続き食べ放題業態が好調で忘年会需要の復活もあり111.0%。
■パブ/居酒屋業態【売上高118.2%(69.1%)・店舗数94.0%・客数110.2%・客単価107.3%】
飲酒業態は、4年ぶりにコロナによる行動制限がない忘年会シーズンとなり、大規模な宴会は少ないものの、中小規模宴会が増え、これまで戻りが鈍かった法人の忘年会も回復傾向となり、「パブ・居酒屋」の売上は118.2%、19年比で69.1%となった。
■ディナーレストラン業態【売上高113.9%(95.0%)・店舗数92.1%・客数107.4%・客単価106.0%】
DRは、引き続きインバウンドの需要が旺盛で、法人宴会の回復もあり、売上113.9%、19年比95.0%となった。
■喫茶業態【売上高113.3%(100.9%)・店舗数100.1%・客数105.1%・客単価107.8%】
オフィス街、商店街、および観光地の店舗が比較的好調で、アルコール類を提供する一部業態では、忘年会需要を取り込んで好調、客単価の上昇とも相まって売上113.3%、19年比100.9%となった。
記事配信・制作協力/外食ドットビズ
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