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グルメメディア「ヒトサラ」、「Best Chef&Restaurant 2023-2024」公開

USEN Media が運営するグルメメディア「ヒトサラ」は、 2023 年にもっとも輝いたシェフ・レストランを讃える「 Best Chef & Restaurant 2023-2024 」において、全国のシェフ投票をもとに選出された 100 店舗・ 105 名を発表した。今年は、地方在住シェフへの注目度が高まったほか、訪日外国人の増加に伴い、インバウンド賞を新たに開設した。

「ヒトサラ」ベストシェフの発表は、日々「おいしさ」を追求し続けるシェフ達への敬意を込めて 2013 年から行っており、今回で 11 回目となる。「ヒトサラ」の人気コンテンツ「シェフがオススメするお店」に寄せられた推薦数をもとにノミネート店を選出し、プロのシェフたちからより詳しいアンケートを実施。回答をもとにヒトサラ編集部が厳選した 100 店舗・ 105 名を 2023 年のベストシェフ&レストランとして発表した。

今年も、フランス国家最優秀職人章 (M.O.F.) 受賞者「ガストロノミー“ジョエル・ロブション“」の関谷健一朗氏や、 2023 年版「アジアのベストレストラン 50 」 2 位の「 SÉZANNE 」のダニエル・カルバート氏が昨年に続き 3 つ帽子※を受賞した。

今回は 100 店舗中 37 店舗が初受賞となった。際立ったのは“ローカル・ガストロノミー”というキーワード。コロナ禍を経て、日本全国のレストランへと目が向けられ、地域の特性を意味するテロワールを表現するシェフも増えた。例えば、新潟県東三条の自家菜園で野菜をつくり、狩猟も行う「 Restaurant UOZEN 」の井上和洋氏や、岩手県田野畑村の地場食材を使用し、南部鉄器で調理する「ロレオール田野畑」の伊藤勝康氏、自家養鶏場で手間暇をかけて育てた地鶏を使用したメニューが揃う「 my farm to table おにや」の鬼嶋大之氏などが初受賞。いずれも自然や食材との向き合い方、料理を通して土地の魅力を伝える姿勢に感銘を受けた方が多かったようだ。

なお、本アワード常連組の「傳」長谷川在佑氏、「 Restaurant Ryuzu 」飯塚隆太氏、「日本料理 龍吟」山本征治氏、「リストランテ アクアパッツァ」日髙良実氏など、過去 5 回以上入賞した計 11 店舗が今回のアワードで殿堂入りとなった。

また今年は、訪日外国人の増加に伴い、インバウンド対策が成功している「インバウンド賞」を発表。インバウンド需要の増加に伴い、訪日外国人の受け入れや、集客で成功しているシェフを讃えた賞で、 2021 年夏に開業した「 SÉZANNE 」のダニエル・カルバート氏が受賞した。さらに、 2022 年は“地方の豊かさ”が再評価され、 2023 年はより多くの地方在住シェフへの注目度が高まったことより、特に多くの支持を集めた小林寛司氏、桑木野恵子氏、井上稔浩氏、井上和洋氏、渡辺幸樹氏の 5 名のシェフを「ローカル・ガストロノミー賞」に選出した。

そのほか、レストランでの取り組みを通じて食の未来に貢献されたシェフに贈る「サステナブル シェフ&レストラン賞」、注目の若手として期待される「 U-35 シェフ賞」、一年を通じて大きな反響があった話題のお店や記事に贈る特別賞として「ヒトサラ編集長 特別賞」「ヒトサラ MAGAZINE 特別賞」「ヒトサラ公式 SNS 特別賞」を、食を紹介する編集のプロが選んだお店として選出している。
■傾向と考察─ヒトサラ編集長 小西克博氏

2023 年は、コロナ禍収束で人の流れが戻り、国を超えた行き来も再開された年でした。国内ではインバウンド需要が回復し、地方への観光客も大幅に増えています。そういった流れを背景に、食のシーンでも多様な変化が見られました。飲食業界では消費の二極化、階層化が進み、一部の高級店・有名店は、予約も金額も手が届かないものになりました。一方で、新しいニーズを取り入れたユニークなお店も多く登場してきています。結果的には消費者の選択の幅は増えているように見えます。地方においては良質なコンテンツが増え、それぞれの地域に応じたテロワールを打ち出す店舗が増えました。日本はどこへいってもおいしい、と言われてきた流れが、より多様に進化している印象です。コロナ禍に見直された健康志向も重要な要素で、よりナチュラルなものを求める傾向が見られます。材料費、人件費の値上げなどで閉店に追い込まれる店舗が増える一方、新しい食材や代替食なども積極的に登場してきており、サステナビリティの大きな潮流のなかで新しい可能性の模索が続けられています。 DX はそれらの後押しとして機能しています。この多様化するトレンドの中心にはやはり SNS があります。 SNS 空間のコミュニケーションは今のトレンドを掬い上げるのと同時に、次のトレンドを創出しているともいえます。これら一連の流れは 2024 年も続いていくことでしょう。
※推薦人数により 1 つ帽子~ 3 つ帽子に分けて発表。 3 つ帽子は 20 名以上から推薦があったシェフ
Best Chef & Restaurant 2023-2024 : https://hitosara.com/contents/award/

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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