リクルート、外食で食べきれなかった料理の持ち帰りに関する調査
リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、食品ロス低減につながる、外食で食べきれなかった料理の持ち帰りに関する意識や実態を調査した。
■直近 1 年間で「外食で料理を食べきれなかった」経験のある人は 58.7 %
まず、実際に食べきれないケースがどの程度発生しているかを聞いたところ、全体では 58.7 %と、過半数の人が過去 1 年間で「外食を食べきれない」経験があったと回答。性年代別では男性より女性で食べきれないケースが多いようで、特に、女性の 20 代 (68.7 % ) ・ 30 代 (67.3 % ) ・ 40 代 (62.7 % ) では 6 割以上が過去 1 年に食べきれない経験をしている。また、圏域別では首都圏 (60.5 % ) で食べきれなかった経験のある人が 6 割を超えており、東海圏 (56.2 % ) ・関西圏 (56.9 % ) よりも高いという調査結果となっている。
■食べきれなかった料理の持ち帰り意向は 67.8 %
過去 1 年間に外食で食べきれなかった経験があると回答した人 (n=5,952) に持ち帰り意向を聞いたところ、全体では 67.8 %と約 2/3 の人が、食べきれなかった際には持ち帰りたいと感じていたようだ。性年代別には、男女差は前問ほどはっきりとした傾向はないが、やや女性のほうが持ち帰り志向が高い傾向。女性の 40 代 (71.8 % ) ・ 50 代 (73.0 % ) ・ 60 代 (71.8 % ) の中高年層で割合が高く、 7 割を超える人が食べきれなかった際の持ち帰り意向があった。圏域別には東海圏 (71.8 % ) で 7 割を超える持ち帰り意向となっており、首都圏 (67.2 % ) ・関西圏 (66.7 % ) よりもやや高かった。
■実際に持ち帰りをした人は 35.4 %。意向者の約半数にとどまっている
外食で食べきれなかった経験があると回答した人に、その際に実際に持ち帰りをおこなったかを聞いたところ、全体では 35.4 %の人が実際に持ち帰りをおこなったと回答。一方、持ち帰った人とほぼ同程度の 33.5 %の人は、持ち帰り意向があったが実際には持ち帰らなかったとしている。性年代では、女性では 20 代 (24.8 % ) で持ち帰った割合が最も低く、 60 代 (43.1 % ) で最も高いなど、年代が上がるほどに持ち帰り率が高まる傾向にあった。圏域別では東海圏が前ページで持ち帰り意向が高かったが、実際に持ち帰った率も 44.4 %と 3 圏域中最も高い割合であった。
■持ち帰りのハードルは「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」が 51.8 %で最多
外食で食べきれなかった料理を持ち帰ることに対して感じるハードルを聞くと、「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」 (51.8 % ) が最多。続いて「持ち帰る際、移動中の汁こぼれや匂いが心配」 (33.3 % ) 、「持ち帰りができない飲食店がある」 (32.6 % ) などとなっている。特に女性の 20 ~ 50 代で「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」という回答が目立った。また、「持ち帰りたかったが、持ち帰らなかった」経験のある人でも、「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」という回答が多かった。飲食店側で、持ち帰り対応の可否の明示や密封性の高い容器を用意することができれば、より外食で食べきれなかった際の食品ロスを減らせる余地があるのかもしれない。
■食べきれなかった外食の持ち帰り「賛成派」が 87.6 %と圧倒的多数
直近 1 年間で外食を食べきれなかった体験のない人も含む全員に、持ち帰りの賛否を聞いたところ、「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計は 87.6 %に達し、「賛成派」が圧倒的な多数であった。性年代別では、女性の 40 ・ 50 ・ 60 代の中高年層の持ち帰り意向が高かったのに対し、賛否についても女性の 40 ・ 50 代で賛成派が 90 %以上と高いスコアであった。また、「賛成」のトップボックスだけをみると最多は男性 40 代の 49.3 %で、ほぼ半数が明確に賛成していることが分かる。一方、「反対」「どちらかといえば反対」の「反対派」が最も多かったのは男性 60 代で 16.9 %。圏域別の「賛成派」は、東海圏が 89.0 %で最多であった。
■持ち帰り賛成理由「残すのはもったいない」「食品ロス対策に有効」
全員 (n=10,134) に対して賛否につながる考えを聞いたところ、ポジティブな考え ( 賛成の理由 ) の最多は「残す ( 捨てる ) のはもったいないと思う」 (85.3 % ) で、「食品ロスの対策として有効だと思う」 (55.9 % ) 、「持ち帰って食べれば食費が浮くと思う」 (39.5 % ) 、「注文したら責任を持って食べきるべきと思う」 (39.4 % ) と続いた。一方、ネガティブな考え ( 反対の理由 ) としては、「食中毒など衛生上の不安を感じる」 (22.7 % ) が最多で全体では 6 番目のスコアであった。性年代別では、「残す ( 捨てる ) のはもったいないと思う」は、全性年代で 80 %を超える人が選択した。また、女性 20 代では、ポジティブな考え ( 賛成の理由 ) では「持ち帰って食べれば食費が浮くと思う」「注文したら責任を持って食べきるべきと思う」、ネガティブな考え ( 反対の理由 ) では「食中毒など衛生上の不安を感じる」「持ち帰る際、移動中の汁こぼれや匂いが気になると思う」など、多くの項目で他の性年代よりスコアが高く、賛否両面で意識の高さがうかがえる結果となった。
【調査概要】
調査名:外食市場調査 (2018 年 3 月分 )
調査内容:首都圏、関西圏、東海圏における、夕方以降の外食および中食のマーケット規模を把握することを目的に実施した調査 ( 外食マーケット基礎調査 ) の中で、外食で食べきれなかった料理の持ち帰りについての賛否や考え方、直近 1 年間の持ち帰りの実態、持ち帰ることに対して感じるハードルなどを聴取
調査対象:首都圏 ( 東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城 ) 、関西圏 ( 大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀 ) 、東海圏 ( 愛知・岐阜・三重 ) に住む 20 ~ 69 歳の男女 ( 有効回答数 n=10,134)
記事配信/外食ドットビズ(2018/05/25)
制作協力/外食ドットビズ