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外食トピックス

JRC、「じゃらん観光国内宿泊旅行調査 2024」_旅行市場動向編

リクルートの観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター(JRC)」は、全国1万5,520人の宿泊旅行者を対象に「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024」を実施した。本調査は、2023年度(2023年4月~2024年3月)の期間における観光などを目的とした宿泊を伴う国内旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)実態を調べるもの。ここでは、旅行市場動向編を掲載する。
■国内宿泊旅行実施率、延べ宿泊旅行者数、延べ宿泊数推計
 2023年度の1年間に国内宿泊旅行を実施した18~79歳の割合は49.5%。実施者における年間平均旅行回数は2.80回、1回の旅行当たりの平均宿泊数は1.74泊であった。実宿泊旅行者数の推計値は4670万人、延べ宿泊旅行者数は1億3060万人回、延べ宿泊数は2億2739万人泊となった。
 性・年代別に見ると、宿泊旅行実施率は18~29歳女性で最も高く63.6%、次いで30代女性が57.1%、18~29歳男性が55.7%と、若年層で実施率が高い傾向。一方、宿泊旅行実施者における年間平均旅行回数は60代男性が最も多く3.23回、次いで18~29歳男性が3.19回。延べ宿泊旅行者数で見ると18~29歳男女が1300万人回を超えボリュームゾーンとなっているが、延べ宿泊数で見ると、18~29歳男女に加え、平均宿泊数の多い60代男性、70代男性も2000万人泊を超える。
■都道府県別の延べ宿泊旅行者数と居住ブロック別の傾向
 都道府県別の延べ宿泊旅行者数が最も多かったのは東京都で1147万人。次いで北海道(922万人)、大阪府(800万人)となった。居住ブロック別に宿泊先ブロックの延べ宿泊旅行者数を見てみると、関東や九州は、居住ブロック内からの旅行者が最も多い。北海道や関西、中四国も居住ブロック内からの旅行者が最も多いが、関東からの旅行者も同程度である。東北、甲信越・北陸、東海、沖縄は、関東からの旅行者が最も多い傾向にある。
■国内宿泊旅行の同行者
 国内宿泊旅行のうち、最も割合が高かったのは「夫婦2人での旅行」で24.9%。次いで「ひとり旅」が15.9%で続く。性・年代別に見ると、18~29歳男性では「ひとり旅」が最も高く24.9%を占める。同じ年代でも女性では「友人との旅行」が24.5%とトップである。30~40代では親子旅行の占める割合が高くなる。50代では「夫婦2人での旅行」が高いが、男性においては「ひとり旅」も高い。また女性は、50代以上は「その他の家族旅行」の割合も高い傾向にある。
■国内宿泊旅行の費用総額、1回の国内宿泊旅行にかかった費用(大人一人当たり)
 国内宿泊旅行にかけられた費用総額は、推計で7兆9172億円。そのうち7兆119億円を個人旅行が占める。費目別に見ると、総額のうち、42.7%を現地消費が占め、3兆3773億円の規模となった。
 1回の国内宿泊旅行にかかった費用の全旅行者の総額は平均で大人一人当たり60,600円。宿泊・交通費が34,800円、現地消費が25,800円であった。個人旅行で見ると、宿泊費は18,500円、1泊当たりに換算すると12,800円であった。
■1回の国内宿泊旅行にかかった費用_性・年代別
 1回の国内宿泊旅行にかかった費用について、性・年代別に見てみる。全旅行者の総額で見ると、最も高いのは70代女性の67,900円、次いで60代女性の64,800円、70代男性の63,900円などシニア層が目立つが、現地消費は18~29歳男性の31,300円が突出して高い。個人旅行における宿泊費は、60代以上ではいずれも20,000円を超える一方、18~29歳では男女ともに15,000円台にとどまっている。1泊当たりに換算すると、18~29歳男性は最も安く10,500円、女性の30代・60代・70代は14,000円を超える。同行者別に見ると、ひとり旅は宿泊費が最も安く、個人旅行1泊当たりで8,600円だが、交通費は最も高く19,700円であった。

  JRC主席研究員の森戸香奈子氏は、『新型コロナ感染症が5類に移行し、本格的に動き出した2023年度の国内旅行市場は、日本人の約半数が宿泊旅行に出かけたという結果となりました。若年層がけん引したコロナ禍の市場動向の流れは続いており、特に女性若年層における旅行実施率の高さ、男性若年層における現地消費額の高さが目立っています。一方、シニア層の方は宿泊数が多く、宿泊費は高い傾向があります。今、日本の観光政策は、量よりも質を重視する方向にシフトしています。来訪してほしい顧客像を明確にし、その満足度を高めることが質の向上につながります。地域のありたい姿を基にした観光戦略づくりに、自治体や観光事業者の皆さまにはぜひ本調査の動向データをご活用いただきたいと思います。』とコメントした。

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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