SAPPORO 乾杯をもっとおいしく

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Pioneer #01

サッポロのカイタク
仕事と人を知る

Pioneer #01

OUTLINE

酒類の新たな売り場として、成長が見込まれているEC(Electronic Commerce)市場。サッポロビールは自社のネットショップで商品を直売しているほか、大手ECサイトを介した販売にも力を入れている。このECサイトチャネルに携わり、前例のないプロモーションを次々に企画・実行してきたメンバーたち。サッポロの開拓者精神を受け継いだ彼らが見据えているものとは。
寺倉 有樹
流通営業本部
流通統括部 流通戦略グループ
2010年入社/経済学部卒
2016年秋よりEC領域に関与。ビッグデータを用いて消費者行動の仮説を立て、デジタルアプローチを立案しているECの旗振り役。
木口 璃花
広域流通本部 第1営業部
2011年入社/経営学部卒
営業として2017年秋から得意先である大手ECサイトとの商談を担い、事業の飛躍に大きく貢献。現在はビール・RTD・ノンアルコールを担当中。
新川 敦子
広域流通本部 第1営業部
2013年キャリア入社/生活科学部卒
2019年から木口と同じ大手ECサイトを担当。子どもを持つ一消費者としての感性も大切に、ワイン・洋酒・和酒の新たな仕掛けを探索している。

※インタビュー内容は取材時のものです。

SECTION 01

他に先んじて、
未知なる市場へと分け入った。

—— ECにおけるこれまでの活動の変遷を教えてください。

寺倉
サッポロビールが新たな領域であるECに取り組み始めたのは2014年頃。当時はまだ食品・飲料・酒類を取り扱うメーカーのEC化率が低く、未知なる市場だったため試行錯誤はあったものの、一つひとつチャレンジをする中で、ECの販売効果が徐々に検証できました。そこで他社に先行できるこの時期をチャンスと捉え、2017年秋に、私を含めた3名で大手ECサイト向けの取り組みを強化する部隊を組織したのです。
木口
その後、営業として私や新川もチームに加わって、スピード感ある得意先対応をすることで、大手ECサイト様との関係構築に努めてきました。
寺倉
ECにおける販売戦略上のポイントは大きく二つ。一つは膨大な数の商品があるサイト内で、検索の段階からサッポロ商品がしっかりと露出するよう、広告の運用を強化すること。そして、もう一つが新しいタッチポイントの創出です。単に商品を売るだけでなく、いかにしてECサイトにお客様を呼び込んでサイト自体を盛り上げていくかを意識しながら、他社がまだやっていない取り組みに日々挑んでいる状況です。
SECTION 02

お客様の潜在ニーズを
くみ取りながら、
新規の仕掛けに次々挑戦!

—— 具体的にはどんな形で消費者とのタッチポイントを開拓してきたのですか?

寺倉
たとえば、航空会社とコラボして、サッポロ商品をECサイト経由で購入するとマイルがたまる仕掛けをつくったり。劇団とコラボし、舞台を観に来られたお客様に我々からアプローチして、ECサイト限定のオリジナル商品の販売につなげたこともありますね。
木口
ECサイトはギフト需要が高いという特徴もあるので。2018年からはお客様の潜在ニーズを掘り起こそうと、母の日、父の日、クリスマスといった歳時に合わせ、ボックスのデザインに工夫したヱビスのギフトセットをECサイト限定で発売しています。
新川
2019年にはワインカテゴリーでも、母の日に合わせて、ワインとグラスをセットにしたギフト商品を開発。冷えたワインを注ぐと、グラスに描かれたバラが赤く色づくという演出で、新しいお客様にも支持をいただき大きな実績に結びつきました。
木口
最近は他社も追随している印象ですが、サッポロは早期からギフトに取り組んできたこともあり、ECサイトで初めてお酒を購入するというお客様の割合が他社に比べて非常に高く、新規開拓に奏効していると感じますね。
新川
また、ギフトとは別ですが、イベントと組み合わせた事例としては、サッポロが主催するワインの試飲展示会で、商品カードにQRコードを添付して、お客様がコードを読み取ると、ECサイトの商品ページに飛ぶという仕掛けをつくったこともありました。
寺倉
それに類似する企画としては、2018年、黒ラベルの生のおいしさを体感できるイベントとECを連携したことも。自宅でも生ビール気分を味わっていただけるよう24缶入りのセットにジョッキを付けた商品をつくるとともに、イベント実施時に携帯の位置情報(ジオデータ)を取得して、来場者限定でECサイトのターゲティング広告を出稿し、販売につなげることにチャレンジしました。
SECTION 03

業界のゲームチェンジへ。
社内の士気も上がっている。

—— 皆さんの取り組みは社内外、そして自身にどのような変化をもたらしているのでしょう?

寺倉
我々はECという新たな市場を活用することで、業界での立ち位置を変え、ゲームチェンジを起こしたい。とりわけサッポロのメイン商品である黒ラベルを国内No.1のブランドにしたい、と考えています。そのためには、まだ誰も挑戦していないことへ果敢に挑戦していくことが大切だと考えています。先程のジオデータもそうした戦略の一環として、挑戦ものでした。2018年当時は、ジオデータの認知度も今より低く、OMO(オンラインとオフラインの垣根を超えたマーケティング)も普及していなかったため、我々の取り組みは社内外で高く評価されました。
木口
このような先駆的な取り組みを続けてきた結果、ECサイト様の信任も年々厚くなっていますし、ECが活気づいていることで、社内の雰囲気もこれまで以上に明るく、前向きになった気がします。ECの取り組みを他チームの人に共有すると、「元気をもらった」とか、「これをスーパーさんへの提案にも活かしたい」といった声をいただいたりもします。
新川
以前、リアル店舗の営業をしていた時は、売り場の広さに限界がある中で、いかに自社の商品を採用してもらうかに意識が向きがちだったのですが、ECは売り場に制限がないですからね。純粋にお客様目線で思考できるようになりました。私はもともとECのヘビーユーザーなので、自分が「こうだったらいいな」と思う正直な気持ちを仕事のヒントにしています。
木口
新川の言う通り、ECはリアル店舗と違い、お店の棚にモノが無いから買えないということがない。そのような環境の中、黒ラベルの売上も国内で一番売れているビールに拮抗しつつある状況です。また普段、店頭では見かけないワインが売れたりもしますから。私も固定観念を取り払った状態で、物事を考えるようになりました。
SECTION 04

「絶対的な成功」の法則はない。
だから思考し、創造し続ける。

—— サッポロでECに携わる面白さとは? 今後取り組んでいきたいことは?

寺倉
当社には「自分が源泉」という文化があって、年次を問わず、自分次第でやりたいことに取り組めます。トップダウンで「これをやれ」と指示されるだけではなく、「ECで何をやるか、やるべきなのか」主体的な提案を、会社に聞いていただける環境です。
新川
なので、面白い企画に色々と挑戦できるのがECの醍醐味ではないかな、と。
寺倉
そのためにお客様にアプローチできる幅は非常に広くなりますね。新領域であるECには、「こうすれば売れる」という絶対的な成功の法則がないため、あらゆる所から情報を得る必要があり、私自身、他の食品・飲料メーカーの方とも情報交換していますし、一緒にコラボできないかと考えて、劇団や航空会社といった異業界へも飛び込みで話を持っていきました。
木口
寺倉さんの情報収集力と実現能力は、本当に凄いですよね。
寺倉
お客様に新しい選択肢を提案し、「ひとりひとりの心を動かす物語」や「ワクワク」をお届けするのがECチームの使命ですから。プロモーションを立案する立場としては、デジタルの進化などに臨機応変に対応しつつ、新しい取り組みを創造し続けていかなければならないと肝に銘じています。
新川
私自身もそうなのですが、子どもが小さいうちは思うように買い物に行けません。でも、ECなら子どもが寝た後に、記念日用のワインを吟味して選ぶといったことができるので、これからもそうした楽しみのお手伝いをする活動に挑んでいければ、と。
寺倉
一方で、昨今の情勢下で大きな打撃を受けている外食産業ですが、外食企業とビール会社は一蓮托生だと思うので、そこを支え合える施策にもいち早く挑戦していくつもりです。
木口
社会は今大きく変化していますが、これがきっかけとなり、お客様のECへのハードルは確実に低くなっていますよね。私としては、家飲みにおすすめの商品を訴求するページをつくるなど、「サッポロ商品に出会えて良かった」と思ってもらえるような仕掛けを練っていきたいと思っています。
新川
お客様の未来の生活を想像しつつ、勇気と信念を持ってEC市場を切り拓いていきたいですね。
FUTURE

実現したい未来

寺倉 有樹
木口 璃花
新川 敦子