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マイナビ、10月の全国アルバイト・パート平均時給は3ヶ月連続で最高額に

マイナビは、アルバイト・パート求人情報サイト「マイナビバイト」に掲載された求人広告データを集計した2024年10月度アルバイト・パート平均時給レポートを発表。10月の全国平均時給は、1,272円(前年同月比+48円/増減率+3.9%)と3ヶ月連続で過去最高額を更新した。なお、前年同月比は26ヶ月連続の増加となった。
■「飲食・フード」「販売・接客・サービス」「配送・引越・ドライバー」「警備・清掃・ビル管理」が過去最高額に
 職種(大分類)別前年同月比は、全16職種中15職種が増加、1職種が減少となった。「飲食・フード」は1,153円(同+59円/5.4%)、「販売・接客・サービス」は1,171円(同+66円/6.0%)、「配送・引越・ドライバー」は1,380円(同+244円/21.5%)、「警備・清掃・ビル管理」は1,137円(同+40円/3.6%)で調査開始以来の最高額を更新した。「2024年問題」の影響を受ける「配送・引越・ドライバー」の求人件数は前年同月比で1.80倍と採用意欲の高さがみられた。
■7エリア中5エリアで前月比・前年同月比ともに増加、7エリアすべてで1,100円を超える
 エリア別平均時給をみると、全7エリア中「関西」を除く6エリアで前月比・前年同月比ともに増加。「甲信越・北陸」は1,147円で、前月比(+18円)が7エリアの中で最も高く、調査開始以来の最高額を2ヶ月連続で更新した。「北海道・東北」は1,127円(前年同月比+58円/5.4%)で、前年同月比が7エリアの中で最も高く、増減率が5%以上にのぼる。その他、「関東」は1,357円(同+54円/4.1%)、「東海」は1,192円(同24円増/2.1%)、「中国・四国」は1,111円(同+26円/2.4%)と最高額を更新した。また、前月に引き続き7エリアすべてで1,100円を超えた。
 なお、各エリアの「飲食・フード」は、「関東」が1,215円(前年同月増減率+4.3%)、「関西」が1,139円(同+5.4%)、「東海」が1,129円(同+6.2%)、「北海道・東北」が1,049円(同+3.0%)、「甲信越・北陸」が1,086円(同+6.5%)、「中国・四国」が1,060円(同+6.5%)、「九州・沖縄」が1,058円(同+5.6%)であった。
■三大都市圏の平均時給は1,319円、「飲食・フード」は1,187円とともに過去最高額を更新
 首都圏・東海・関西の三大都市圏の平均時給は、1,319円(同+51円/+4.0%)と調査開始以来最高額を更新した。職種(大分類)別の対前年同月比は、全16職種中14職種が増加、2職種が減少となった。「工場・倉庫・建築・土木」は1,373円(同+100円/7.9%)で過去最高額を更新。建設業界の慢性的な人手不足に対応するため、給料を上げて人材確保に努めていることが推察される。同様に時間外労働の上限規制が適用されている「配送・引越・ドライバー」も1,459円(同+285円/24.3%)と、法改正があった24年4月以降7ヶ月連続で前年同月比約100円以上の増加が続いている。その他、「飲食・フード」が1,187円(+56円/5.0%)、「販売・接客・サービス」が1,201円(+65円/5.7%)とそれぞれ過去最高額を更新した。
■今月の都道府県TOPIC…最低賃金が最も大きな引上げ幅となった「徳島県」に注目
 10月から適用となった最低賃金の引上げ幅が全国で最も大きかった「徳島県」に注目。平均時給は1,087円(前月比+28円、前年同月比+57円)で金額としては四国エリアの中で3番目であるものの、前月比ではエリア内で最も増加した。また、各都道府県の平均時給について、前回の最低賃金改定があった23年10月と今月の平均時給を比較したところ、23年10月と比べて最も時給が上昇したのは「長崎県」(90円増)だった。

  同社キャリアリサーチラボ研究員の元山春香氏は、『2024年10月のアルバイト平均時給は1,272円で3ヶ月連続過去最高額の更新となりました。10月の最低賃金改定の影響もあり、多くのエリア・職種で時給の上昇がみられました。政府は将来的に全国平均1,500円を目指しており、今後も長期的にアルバイト時給の上昇が続くと考えられます。一方、賃上げや物価上昇に伴い、年収の壁についての議論も盛んになっています。弊社調査によると、アルバイト就業中の主婦や大学生が「年収の壁」を意識した就業調整をしているという結果がありました。仮に今月の全国平均1,272円で月79時間働くとすると年収は約120万円となり、全国平均より高い職種やエリアではなおさら、各種の年収の壁を超えることがありえます。そのため、年末が近い中、年収の壁を超えないように調整を急いでいるアルバイトの方もいると思います。企業としても年末の消費が活発化する中でアルバイトの勤務時間が短くなるのは痛手となります。賃上げと併せて働く意欲がある人が年収の壁を気にせず働ける環境づくりが求められているのではないでしょうか。』とコメントした。
【2024年10月度アルバイト・パート平均時給レポート】
調査期間:10月1日~10月31日
集計対象データ:アルバイト情報サイト「マイナビバイト」に掲載された求人情報から、「給与区分が時給以外」「給与金額が3,001円以上」「雇用形態がアルバイト・パート以外」のデータを除き集計。
集計対象エリア:全国47都道府県
関東:東京・神奈川・埼玉・千葉・栃木・茨城・群馬/関西:大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山/東海:愛知・静岡・岐阜・三重県/北海道・東北:北海道・宮城・青森・岩手・秋田・山形・福島/甲信越・北陸:新潟・富山・石川・福井・山梨・長野/中国・四国:広島・岡山・鳥取・島根・山口・香川・徳島・愛媛・高知/九州・沖縄:福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄

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