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ケイビング。それは閉ざされた洞窟に分け入る、男心くすぐりまくりのアドベンチャー。その聖地と言われる場所が、日本の南海に存在する。それが、大小200〜300もの洞窟が存在する沖永良部島。中でも今回潜入する銀水洞は、異次元のスケールと美しさを誇る天然地下プールを携える、聖地沖永良部でも最高峰に位置する大鍾乳洞。そんな神秘の超絶景で、最高の乾杯を実現したい! シリーズ中もっとも無謀でクレイジーな特別回をお届けします。
目指す洞窟はビル13〜14階にも及ぶ高低差! 果たして制覇できるのか?
これまで幾つもの修羅場をくぐり抜けてきたチームOVER QUALITY EXTREMEだが、流石にケイビングは全員初心者。ここはガイドさんの同行が不可欠だ。事前に申請し、送られてきた地図がこちら。なるほど、色々ポイントがあるのね……って高低差58.4m!? あまりの深さに、早くも戦々恐々!
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軽い気持ちで向かったジムで
本気の講習。事の重大さを実感撮影前日は、洞窟昇降に必要なロープワークの講習が行われた。1時間強で終わるかなぁ〜なんて軽い気持ちでいるも、実際かかった時間はその3〜4倍。覚えることも多い。なんとなく、ガイドさんがセッティングしてくれるのかと思ってたけど、なるほど、全部自分でヤるってことね。ようやく話しが見えてきた。これガチなヤツだ!
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待ち受ける大冒険とは裏腹に
アプローチは牧歌的当日の早朝。ウェットスーツを着込み、さらに上からツナギに腕を通す。これが今日のユニフォーム。しかしここは南の島。秋とはいえ、この重ね着はすこぶる暑い……。暑さと眠さに耐えながら進むは、荒れ果てた農道。本当にこの先に大冒険のスタート地点があるの? やや半信半疑なスタッフを、背中の重い撮影機材がさらに苦しめる。
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ハーネス&各種装備を
装着すればのどかな雰囲気も一変!「はい到着〜。じゃあここでハーネスを着けましょう」。周囲は依然、牧歌的な荒れた農道。神秘の大鍾乳洞の気配なんて微塵も感じないが、ガイドさんがそう言うならそうなんでしょう。滴る汗を拭い、慣れないハーネスに足を通す。そこに装着される下降器に登高器、ザイルや各種カラビナなどの本格装備。否が応でもテンションUP!
大鍾乳洞の入り口は、人ひとりがギリ通れる程度のマンホール
「はいここから降りますよ〜」と言われて足を止めたのは、パッと見ただのマンホール。ここが大鍾乳洞の入り口!? 唖然とするスタッフを他所に、鉄網を外し、手際よくザイルを固定するガイドチーム。そして素早く入洞。さぁ次はいよいよ我々の番。最高の乾杯を目指した、人生初の地底アタックが始まる!
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なんとか全員無事で地底に到着。
初めて見る洞窟のスケールに呆然地上のマンホール洞口から5mほど降りると、それまでのコンクリ壁は一変、粗い岩肌に。さらに10mほど降りてから一旦着地し、少し横穴を進んで、また縦穴を降下。それを3回繰り返して計40mほどを降り切ると、ようやく地底に到着。そこにはこれまでの狭い岩穴からは想像もできないほどの広大な空間が。奥に続く漆黒の闇が、恐怖心と冒険心を掻き立てる。
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細心の注意を払いながら
滑る鍾乳石を渡り歩く。
落ちたらただでは
済まされない!地底に着いたら、後は前に進むのみ。ヘッドライトの光だけを頼りに、無心で足を踏み出し続けるスタッフ一同。気付けば足元には地下水脈。齢何百万年、何千万年と思しき鍾乳石もゴロゴロしている。その光景は、まさに異世界。けれど感動しているヒマはない。目の前にはTVゲームばりの高難易度コースが次々と現れる。とにかく今は集中集中!
想像以上のハードコースの連続にアドレナリン全開!
地下水脈が流れているとはいえ、まぁせいぜい膝上くらいの深さでしょ、なんて思っていたあの頃。実際には、時に肩辺りまでズボッと沈むこともあれば、時に頭オーバーの水深へ滝壺ダイブさながらに飛び込むことも。さらにはロープ地帯なんかもあり。これはもう天然のアスレチック!
イージーかと思っていたワイヤーハシゴが、まさかの強敵に変身!
行く手を阻む高壁には、危険な迂回路から先行したガイドさんがワイヤーハシゴを設置。しかしこのハシゴが超曲者! 壁の曲面にフィットするので、登ろうとしても指が挟まり足も掛けにくい。おかげで数人は途中で落下。気付けばかなり体力を消耗した。すかさずポッカサッポロのキレートレモンで水分補給。クエン酸が染み渡る。
巨大フローストーンを潜れば、ゴール地点はもう目の前
その後も数々のアドベンチャーゾーンを通過し、遂にたどり着いた約束の場所。このフローストーンと呼ばれる鍾乳石の向こうに、目指すゴールが待ち受ける。いざ登ろうとすると、ガイドさんよりストップの指示。なんでも、ここは登るのではなく潜るのだとか。低い天井と高い水面の間を慎重に進む。
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遂にお目見えした
地下プールと巨大空間。
その壮大さに全員絶句そうしてたどり着いた最終目的地、通称“巨大リムストーンプール”。目の前には、連なる天然の地下プールと広大な空間が。こんな壮大な空間が地下に広がっていることに改めて感動! いやー地球ってスゴいなー。しかしボヤボヤしてるヒマはない。急いでラストカットのセッティングを開始!
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緻密な計算の下に作る光の演出。
地球の歴史と現代人の創造性が共演!幾つもの階層が連なるこのリムストーンプール。これは床を流れる水が、僅かな段差を境に気の遠くなるような年月を掛けて棚田のように侵食し、そこに水が溜まった状態だとか。そんな太古から受け継がれる天然プールに、計100個以上にも及ぶライトをひとつひとつ沈め、最高のライティングを作り上げる。
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ラストに向けて最終調整。
神秘と幻想の超絶景が
今ここに完成する!スタッフ一同が作業を進める間、フォトグラファーはラストカットの位置を綿密に調整。こちらはそんな折に撮影された貴重な1枚。スローシャッターのため、忙しく動く人影は半透明に、ヘッドライトの光は帯として写るのだ。トレードマークの山岳テントも設置すれば、いよいよ準備は万端だ!
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早朝のマンホール洞口から始まった、この地底の大冒険。素人の域を超えたロープ下降に、鍾乳石のクライミング、首まで浸かる水路、尖った鍾乳石が埋め尽くす低い天井。一歩間違えばただでは済まない、そんなアドベンチャーの連続を経て、遂にたどり着いた巨大リムストーンプール。億の年月に形成されたそこは、まさに神秘の大絶景。こんな場所で乾杯するなんて絶対正気じゃない。けど、だからこそこの瞬間は最高なのだ! 両手を掲げて、いざ乾杯!
無駄を省いたミニマムセッティングで、前人未到の乾杯を味わうエクストリームな本企画。その極限の撮影を敢行した張本人たちの、生の声を書き起こす連載コラム。それがSAPPORO OVER QUALITY PEOPLE。今回はスタッフY氏が体験した、リアルな現場感が語られる。
早朝から夜遅くまで及ぶ地底ロケも、終わってみればあっという間!
「これまで何度も、『こんなところで乾杯するなんて絶対オカしいでしょ』と思ってきましたが、流石に今回は桁違い。OVER QUALITYシリーズも、遂にここまで来たかって感じですね。初めは冒険心でワクワクしてたんですが、完全にひとりでロープワークを行わなければならないと知った時は、正直ビビリました。考えれば当然ですけどね。とはいえスタッフ全員、逆にそれも全力で楽しめていたので、みんな本当にスリル中毒というか、改めて良いチームだなぁと実感。洞窟内もアドベンチャーの連続で、終始、奇声と歓声の連続でした。ラストカットの素晴らしさに至っては、もう言葉はいらないと思います。こんな景色を実際に自分の目で見れたこの経験に、只々感謝するばかりですね。その後再び全員が地上に戻ってくる頃にはもう真っ暗。トータル十数時間に及ぶ撮影でしたが、本当にあっという間の出来事でした」。
※撮影場所は許可を得て自然保護に十分配慮し撮影し、きちんと清掃を行っています。
また、一般の方の立ち入りが規制されている場所が含まれます。
※各シーンの描写は撮影上の演出であり、許可を得た上で安全に十分配慮し撮影しています。
また、一般の方には規制されている行為を含みます。
※飲用シーンの描写は撮影上の演出であり、撮影中のアルコール飲用はありません。
※コンテンツ名「SAPPORO OVER QUALITY」とは、クオリティの高いシチュエーションを表現しており、
製品の品質について言及するものではありません。