スペインのラ・マンチャで育てた有機栽培ぶどうを使った、サッポロビール株式会社が正規代理店を務めるワイン「パラ・ヒメネス」。そして、健やかで過ごしやすい社会になることを目指しインテリアアイテムの企画・販売を主事業とする、unicoとのコラボレーションがスタート!これを記念して、それぞれのサスティナブルな取り組み、自分らしさを大切にする暮らし方のヒントをうかがいました。
私の農園では親子3代にわたり、動物たちの力を借りながら有機栽培でぶどうを造っています。もともと祖父はニンニクを造っていましたが、私が生まれたことをきっかけに、「子や孫の代まで安心して生活できる環境を守り、口にできる食べ物を造りたい」と考えたと聞いています。
当時はオーガニックという言葉さえも一般的ではなかったので、EUの有機認証機関の人さえも手探りで、情報が少なくとても苦労したそうです。でも、周りの生産者にクレイジーだと言われながらもオーガニックにこだわり取り組み続けた結果、今やスペインの有機栽培のパイオニア的存在になりました。ちなみに、うちで造っている野菜や果物、羊のエサも含めて、すべて有機栽培なんですよ。
私たちも、創業当時はサスティナブルという考えがない時代でした。しかし、当時から掲げていたのは「自分にも地球にも心地よい、感性豊かなライフスタイルをすべての人に。」というミッションです。これが今の時代でいうサスティナブルにつながっているように思います。私たちが取り組めていることはまだまだ少ないですが、日々の暮らしを続けていくために、できることをひとつずつ積み重ねていければなと思っています。
私たちが環境のために取り組めることのひとつとして、長く使える商品をご提案させていただいています。やはり家具というのは使っているうちに扉が少しずれたり、天板に傷がついてしまったりします。そこでunicoでは、オンラインショップにメンテナンスガイドを掲載しているんです。ご自身で修繕できると、愛着がわきますよね。
小さなお子さまがいるご家庭では、オイルの塗り直しを一緒にするなど、メンテナンスを家族団らんの時間として楽しんでいただけるようです。物を大切に使い続ける文化として、お子さまに受け継がれていったら素敵だなと思います。
また私たちの家具は、家の購入やご結婚のタイミングで購入いただくことが多いです。お子さまの目線の高さにある家具の角はしっかり丸く加工するといったように、安全面にもこだわってつくっています。そのほかにも、美しさや丈夫さ、それでいてお客さまが気づかないような細かいこだわりや工夫がたくさん詰まっています。
ずっと愛してもらうことは、私たちも意識していることです。安心して飲めるオーガニックワインだとしても、特別な日にしか飲めないのではあまり意味がありません。だから、普段使いできる価格帯で供給できるワイン造りを心がけています。
オーガニックワインがなぜ割高かというと、オーガニックでぶどうを造ると収穫量が減るのが普通で、もちろん手間もかかります。私たちは飼料や畑の土づくりまで自分たちでしていますし、親子3代続いているから有機栽培でも病気になりにくい畑の生態系ができていて、一定の収穫量が担保できる。だから、手頃な価格で提供できるんです。
より環境に優しく100年後も続く、自然環境でのワイン造りのために、有機農法をさらに発展させたビオディナミ農法に取り組んでいます。ビオディナミ農法は有機農法の上級版ともいえる栽培方法で、認証にはオーガニック認証を取得してから、さらに1~3年かかります。
作物は土から栄養を吸収して育っていくわけですが、ビオディナミ農法ではその栄養を必ずまた自分の農地に戻して、収支がいつも一致するようにします。畑でとれた作物の食べられないところ、例えば葉っぱや根っこは動物たちのエサになるほか、牛や羊のフンと一緒に調合剤にして土に戻せば土地の力と植物の活力を高めます。外から何も持ち込まず、自分たちの畑の中で完結する「循環型農業」であるところが、普通の有機農法との違いです。
2022年にはサッポロビールさんと共同で香草園をつくりました。そこで育ったラベンダーやローズマリーを羊が食べて、おいしくなった羊のミルクはチーズになります。世界的なビオディナミ団体であるデメテール認証のマンチェゴチーズはパラ・ヒメネスだけなんですよ!
それから、ハチも飼っています。ハチは畑やハーブの受粉を助けてくれますし、周囲の森に入って受粉してくれるので生態系が豊かになるんじゃないかなと思っています。
それから、ハチも飼っています。ハチは畑やハーブの受粉を助けてくれますし、周囲の森に入って受粉してくれるので生態系が豊かになるんじゃないかなと思っています。
自然の力を借りて無理なく育てるから、おいしいぶどうができるんですね!きっと、人間と自然のどちらか一方だけ優先してしまうと、長くは続かないものなのだと思います。
unicoでは環境配慮の取り組みとして、とうもろこし由来の繊維や、ペットボトルをリサイクルした糸などを使用したカーテンやラグをつくっています。
また、GOTS基準※を満たしたオーガニックコットンを100%使用したEFFOSS(エフォス)シリーズなども展開しています。2024年4月にリニューアルしたギフトラッピングには、チョコレートを造るときに捨てられてしまうカカオ豆の皮を再利用したボックスが登場しました。
※オーガニックテキスタイル世界基準の略。有機栽培された原料を使用し、環境と社会に配慮して加工・流通された商品であることを示す。
環境に配慮した商品を使うことそのものが、少しだけやさしい気持ちになれる、私たち人間にとっても心地よいことなのではないかなと感じます。環境に配慮した商品だからこそのやさしい風合いや素朴さに魅力を感じていただけることも多いです。私たちもそういう提案を今後もしていければと思っています。
とても良い試みですね。私の畑でも「すべてを使い切る」ことをすごく大事にしているので、活用の仕方は違いますが似た考え方を感じます。
私たちのワイン造りには羊が欠かせませんが、これまで堆肥に混ぜて使っていた羊の毛を、繊維として活用する試みを始めました。後継者がいなくなった村の伝統的な工法を復活させ、村の人に仕事をお願いして昨年はトライアルで靴下をつくったんですよ。なにしろ4,000頭の羊がいますから、だんだんつくるものを広げていきたいなと思っているところです。
私たちのワイン造りには羊が欠かせませんが、これまで堆肥に混ぜて使っていた羊の毛を、繊維として活用する試みを始めました。後継者がいなくなった村の伝統的な工法を復活させ、村の人に仕事をお願いして昨年はトライアルで靴下をつくったんですよ。なにしろ4,000頭の羊がいますから、だんだんつくるものを広げていきたいなと思っているところです。
今回のコラボにあたり、unicoではノベルティの豆皿をデザインしました。かつて展開していたファブリックデザインを、パラ・ヒメネスのイメージカラーであるグリーンにカラーチェンジしてつくっています。もしかしたら同じデザインの商品を使っていただいている方もいるかもしれませんね。
期間中の店舗では、実際に使用していただくシーンをイメージして、unicoのインテリアアイテムでお部屋を再現した空間の中に、ワインと豆皿を一緒に展示しています。ワインをたしなむ時間にunicoのデザインが加わることで、より心地よい時間になることを願っています。そして、今回のコラボをきっかけに、より多くの方にunicoが提案する暮らしを知っていただけるとうれしいです。
まずは難しいことを考えないで、親しい友だちや家族と一緒に楽しんで、よいひとときを過ごしてほしいと思います。私は白ワインに、じゃがいもが入ったスペインの卵料理「トルティージャ」をあわせるのがとっても好きです。パエリアにもあいますよ!スペイン人は家庭ごとに「トルティージャ」にこだわりがあって、つくり方を議論し始めると話が終わらなくなります。日本にもある材料でつくれますから、ぜひワインと一緒に試してみてください。
手に取れないような高価なものでなく、日常的に安心して手にしていただけるワインをお届けしたいと考えて日々ワイン造りに励んでいます。この機会にぜひ飲んでみて、ラ・マンチャ地方の風土と産業を守ることに手を貸していただけたらと思います。