ニュースリリース

2015年度日本育種学会賞受賞について

~1992年以来、3度目の受賞~

 

 サッポロビール(株)は「リポキシゲナーゼ欠失ビール大麦育成グループ」の中核メンバーとして、このたび一般社団法人日本育種学会より「リポキシゲナーゼ欠失変異を利用した高品質ビールオオムギ品種の育成」について、2015年度日本育種学会賞を受賞しました。

 同賞は「育種に関する研究において注目すべき業績をあげた会員に授与」されるもので、1953年から続く、権威ある賞です。大麦関連での民間への学会賞授与は「成城17号ほか醸造用大麦品種の育成」(1976年・当社の単独受賞)、「醸造用大麦縞萎縮病抵抗性高品質品種の育成」(1992年・当社を含む研究グループで受賞)以来、3度目の快挙となります。

 また2014年には、当社研究員の飯牟礼 隆(いいむれ たかし)が「プロテオーム解析に基づくビールオオムギ品質選抜法の開発」について育種学会奨励賞(Young Researchers Award)を受賞しており、当社の育種に関する取り組みを継続して評価いただいています。

 なお、2016年3月21日(月・祝)に開催された日本育種学会総会(於:横浜市立大学)で学会賞を授与され、受賞講演をおこないました。

 当社は、他企業や大学と連携しながら今後もビール原料に関する育種・研究開発力を磨き、魅力ある商品展開に活かしていきます。

 記

 

賞題 2015年度日本育種学会賞

 受賞論文

表題

 「リポキシゲナーゼ欠失変異を利用した高品質ビールオオムギ品種の育成」

 受賞

グループ

 リポキシゲナーゼ欠失ビール大麦育成グループ

 ・岡山大学

 ・サスカチュワン大学(カナダ)

 ・アデレード大学(オーストラリア)

 ・サッポロビール株式会社

 受賞業績

概要

 ビール醸造に使用される麦芽の原料である「大麦」に由来する脂質の酸化は、ビールの泡持ちや香味耐久性に悪影響を及ぼすことがわかっています。その改良を目的として、当社は岡山大学と共同で、天然の大麦遺伝資源から、脂質酸化を触媒する酵素リポキシゲナーゼ-1(以下LOX-1と表記)のないLOXレス大麦を探索しました。

 この性質をビール大麦の品種交配で導入するには、栽培性や品質面で多くの課題に直面しましたが、2001年にカナダのサスカチュワン大学と共同でLOXレスの性質をもつ高品質なビール大麦の開発を開始するに至りました。

 その後、各地に適応したLOXレス大麦の開発と品種登録出願を行い、当社独自の「協働契約栽培」(注1)による調達展開を進めることで、北米での栽培は商業ベースにまで拡大しています。さらに世界主要産地への普及を目指し、現在、欧州でも同様のプログラムを進めています。

 LOXレス麦芽は、ビールの泡持ちや香味耐久性を向上させる「旨さ長持ち麦芽」として、当社の基軸ブランドである「サッポロ生ビール黒ラベル」や、4月12日に数量限定で発売する「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」に使用しています。(注2)

  

(注1)「協働契約栽培」については、添付PDF内の「参考情報」を参照ください。

(注2)「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」には「旨さ長持ち麦芽」を100%使用、「サッポロ生ビール黒ラベル」には一部使用しています。

 

以上

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