2016年 サッポロビール マーケティング方針
サッポロビール(株)は、2014年-2016年中期経営計画で策定したビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」のもと、お客様に驚きと感動を実感いただける企業を目指していきます。
Ⅰ.2015年の振り返り
1. ビールテイスト市場について
昨年のビールテイスト総需要は、最盛期である7・8月の多雨や日照時間の少なさ等の影響もあり、前年比約99%になったと推定しています。その中で、当社のビールテイスト販売数量は前年比95.1%となりました。
「サッポロ生ビール黒ラベル」が缶を中心に大きく伸長し、21年ぶりに前年の販売数量を上回ったこともあり、ビールカテゴリー全体で前年実績を超えることができました。「ヱビスブランド」については「深み味わうヱビス」や歳暮限定商品「ヱビス冬のコク」などの投入が奏功したことに加えて「ヱビスビール」自体も底堅く推移したため、「ヱビスブランド」全体ではビールテイスト総需要並みとなりました。
新ジャンルの「麦とホップ The gold」は2月にリニューアルし、商品のさらなる進化を訴求してきましたが、前年比約8%減となりました。
また、発泡酒「極ZERO」は「プリン体0.00(注1)」、「糖質0(注2)」に加えて「人工甘味料0」の世界初(注1)「3つのゼロ」がお客様に支持され、安定的な売上を継続しています。
2.ワイン・スピリッツ(洋酒・RTD・和酒)市場について
ワイン事業の売上金額は前年比97.0%となりました。日本ワイン「グランポレール シングルヴィンヤードシリーズ」を中心に積極展開し、初のコンセプトショップ「GRANDE POLAIRE WINEBAR TOKYO」をオープンさせ、お客様との接点拡大を実現しました。また、シャンパーニュ「テタンジェ」や「ペンフォールズ」など、世界的なファインワインを新たなラインナップに加え、将来の成長に向け着実に準備を進めることができました。
スピリッツ事業の売上金額は前年比99.7%となりました。洋酒は、バカルディブランドの伸長により4年連続の売上増を達成。RTD(注3)では、「男梅サワー」のエクステンションブランド「超男梅サワー」や、「白いネクターサワー白桃ピューレ」などの個性的な商品を投入しました。また、若年層に向けた梅酒ベースのRTS(注4)「ウメカク 果実仕立ての梅酒カクテル ピンクグレープフルーツ」が販売計画を大きく上回りました。和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(注5)の「こくいも」が5年連続売上増を果たしました。
ワイン事業、スピリッツ事業を合わせた売上金額は、前年比98.8%となりました。
Ⅱ.2016年マーケティング方針
本年は創業140周年を迎えます。「140年を誇りに、乾杯をもっとおいしく。」をコミュニケーションメッセージに据え、引き続き「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」のビジョンのもと、各事業に注力し、ブランドを育成していきます。
1.ビールテイスト事業
本年のビールテイスト総需要は99%弱と厳しい市場環境が続くと推測しています。
当社は本年、事業方針に「ビール強化元年」を掲げ、「ヱビスビール」と「サッポロ生ビール黒ラベル」両ブランドへ徹底的に注力します。さらに、サッポロ独自の強みを発揮する各種ビールブランドへの積極的な取り組みも行い、売上増を目指します。また、ノンアルコールビールテイスト飲料で初のトクホ商品「SAPPORO+」など、お客様の多様化するニーズに対応するためのオンリーワン商品を開発、育成することも進めていきます。
「ヱビスビール」
さらなる品質の高みを目指すためにクオリティアップを実施し、ヱビスビールが培ってきた品質に対するこだわりを訴求することで“プレミアム価値No.1ブランド”を目指します。また、「ヱビスで愉しむ、幸せなひと時」をテーマにしたコミュニケーションやプロモーションを通じてブランド体験機会を創出し「100年プレミアムブランド」としてより一層存在感を高めていきます。
「サッポロ生ビール黒ラベル」
発売以来、黒ラベルがこだわり続けてきた「生のうまさ」を徹底追求します。「完璧な生ビールを。」というコミュニケーションメッセージのもと「完璧な生ビール体験」をお客様に提供するとともに、2月下旬製造品から中味のブラッシュアップを行い、現在の好調トレンドを加速させます。
昨年好評だった「THE PERFECT 黒ラベル BEER GARDEN」を引続き東京と大阪で展開するとともに、4月には「パーフェクトデイズ」と銘打ったブランド体験イベントを全国主要都市で展開予定です。
また、ブランド強化策の一環として、黒ラベルの美味しさの決め手の一つである“旨さ長持ち麦芽(注6)”を初めて100%使用した初の全国型エクステンション商品も発売を予定しており、あらゆるお客様接点において黒ラベルブランドの露出強化を図っていきます。
「サッポロ独自の強みを発揮するビールブランド」
・サッポロラガービール
こだわりのあるファンからの根強い支持を受け、販売数量は4年で約1.8倍の伸びを示しています。今後は取扱い店舗数の拡大とファンのロイヤルティをさらに高め、顧客接点の拡大に努めます。
・エーデルピルス
ビール好きのお客様を中心に、この10年で販売数量が2倍以上伸長しています。本年は本場ドイツで認められた正統派ピルスナーとして情報発信店を獲得し、ビール好きのお客様にブランドを訴求していきます。
・白穂乃香
無濾過ならではのまろやかな味わいがお客様に支持されており、2008年の発売から3倍以上伸長しています。現在は首都圏、関東の一部エリア限定で販売していますが、今後は販売エリア拡大を検討していきます。
・サッポロ クラシック
発売30周年を迎えた昨年、15年連続売上アップを達成しました。本年は、北海道の四季に即した施策などを展開し、この勢いをますます加速していきます。
「サッポロ 麦とホップ The gold」
引き続き「コク系新ジャンルNo.1ブランド」を目指します。「麦とホップ史上最大のゴールドミッション」をテーマに広告と店頭の連動強化を図り、2月2日には「麦とホップ史上最大(注7)の麦芽量」を訴求したリニューアルを実施。「さあ、コクの頂点(注8)へ」というコピーを掲げ、コク系新ジャンルとしてのポジションを明確にします。
「ホワイトベルグ」
ビール大国ベルギーに学んだ、洗練された華やかな香りと爽やかな味わいが手軽に楽しめる新ジャ
ンルとしてご好評頂いており、世界的に著名な「iTQi(国際味覚審査機構)優秀味覚賞 三ツ星」を2年連続受賞しました。2016年はWEBを通じた双方向のコミュニケーションで若年層へのアプローチを強化するとともに、ブランド体験イベントを通じた顧客接点拡大に努めます。
「サッポロ 極ZERO」
プリン体0.00(注1)、糖質0(注2)、人工甘味料0という「3つのゼロ」を継続訴求します。本年は、ロイヤルティのさらなるアップを狙い「必ずもらえるキャンペーン」を展開。また、エクステンション商品「香りの極ZERO」を発売することで、新たなお客様を獲得していきます。
「SAPPORO+」
ノンアルコールビールテイスト飲料において史上初(注9)のトクホ商品であることと、4つの機能(プリン体0(注10)、カロリー0(注11)、アルコール0.00、糖類0(注11))を強力に訴求していきます。お客様からの信頼が高いトクホマークを大きく立体的に見えるようパッケージリニューアルを昨年10月に実施し、12月からはお求めやすい価格へ改訂を行いました。今後はWEBを活用した「SAPPORO+1万人お試しキャンペーン」を実施し、飲用体験の場を拡大していきます。
2.ワイン事業・スピリッツ(洋酒・RTD・和酒)事業
ビールテイスト事業に次ぐ太い柱に成長させるため、今後も各事業のテーマに沿ったブランド育成を進めていきます。
(1)ワイン事業
本年40周年を迎えるワイン事業は「お客様価値No.1」を目指し、ファインワインの提案強化を行います。昨年から積極的に展開している日本ワイン「グランポレールシングルヴィンヤードシリーズ」、シャンパーニュ「テタンジェ」、「ペンフォールズ」といったファインワインを中心にさらに大きく伸長させます。
並行して、ワインユーザー拡大のための商品や飲み方提案も進めます。エントリーユーザー向けの「サングリア・リコ」や若年層向けの「ドロップシリーズ」に加え、[イエローテイル]などのレギュラーワインの提案を強化し、市場のすそ野拡大も目指します。
(2)スピリッツ事業
スピリッツ事業は「お客様に驚きと感動を与える商品・提案の強化」をテーマに、当社ならではのオンリーワン商品を提案していきます。
洋酒は、引き続きバカルディジャパン社との連携を強化し、世界販売金額No.1(注12)ラム「バカルディ」をはじめ「ボンベイサファイア」「デュワーズ」「マルティーニ」に注力します。特に「バカルディ」では「モヒート」に続く新提案「ラムハイ」を推進します。
RTDは、「男梅サワー」「ネクターサワーシリーズ」「キレートレモンサワー」など、コラボレーションによる独自価値の提案を引き続き行います。
本年10周年を迎える和酒は、好調な甲乙混和芋焼酎「こくいも」にラインナップを加え、多面展開するとともに、本格焼酎である「和ら麦」は「香るハイボール」、「からり芋」は「さつまスカッシュ」などの飲み方提案による市場開拓を進めます。また、男梅サワーの楽しみ方を広げる「男梅の酒」や、若年層に人気の「ウメカクシリーズ」など和リキュールの提案も強化していきます。
※2015年の実績及び2016年の計画については、添付のPDFファイルをご参照下さい。
3.ビール文化の醸成
(1)クラフトビール事業
事業2年目となる本年は、クラフトビールの“個性”とナショナルブランドならではの“品質”を兼ね備えた「ナショナルクラフト」としてのビール新価値創造を目指した事業展開をします。3月22日に発売する「Craft Label Hello!ヴァイツェン」を皮切りに、新たな価値を持った商品を随時発売していく予定です。
(2)WEB施策・びあけん
ビール愛好家のためのコミュニティ「百人ビール・ラボ」やオリジナルラベルを作成できる「わくわくブルワリー」など、WEBを通じてお客様接点の拡大を図るとともに「びあけん」を通じた啓発活動などオンリーワンの取り組みを進めることで、ビール文化の醸成に努めていきます。
(3)サッポロビール博物館
1876年(明治9年)、当社の前身である「開拓使麦酒醸造所」が設立されました。開業140周年となる本年、北海道札幌市にある「サッポロビール博物館」を4月にリニューアルオープンします。お客様への感謝の気持ちを込めて、当時のビールを再現した「復刻札幌製麦酒」をサッポロビール博物館内のプレミアムツアーで体験していただけます。
(注1) 発泡酒において世界で初めて100ml当たりプリン体0.00mg、糖質ゼロ、人工甘味料不使用を実現した商品
(当社調べ)
(注2) 栄養表示基準に基づき、100ml当たり糖質0.5g未満を「糖質0(ゼロ)」と表示
(注3) Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
(注4) Ready to Serveの略。氷やソーダなどで割るだけで楽しめるお酒
(注5) インテージSRI甲乙混和芋焼酎市場2013年12月~2015年11月累計販売容量
全国スーパーマーケット/CVS/酒DSの合計
(注6) ビールの風味を劣化させる成分(LOX-1<ロックスワン>:脂質酸化酵素)を持たない大麦から生まれた麦芽
(LOXレス麦芽=旨さ長持ち麦芽)
(注7) 麦とホップ The gold通年販売商品において
(注8) 麦とホップ The gold通年販売商品における、原麦汁エキス濃度の比較において
(注9) 特定保健用食品史上初
(注10) 100ml当たりプリン体0.5mg未満をプリン体0と表示
(注11) 栄養表示基準による
(注12) 2014年IWSR調べ
以上
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