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パーソルHD、「はたらく定点調査」に見る“アルハラ”に対する意識

パーソルホールディングスは、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表しているが、今回はこの調査のなかから「アルコールハラスメント(アルハラ)」を切り口にしたデータを紹介する。
■飲み会不参加:「飲み会の欠席を叱責すること」は8割弱が「ハラスメントだと思う」
 飲み会を欠席したことについて、上司や先輩から叱責されることは、全体で78.7%、男性で72.8%、女性で86.9%が「ハラスメントだと思う」と回答した。男女別では女性の方が高い割合を示した。また、世代別では「ハラスメントだと思う」と答えた割合が、Z世代が77.3%、ベビーブーマーが81.3%と、シニア層の方が高い割合だった。ちなみにY世代は78.3%、X世代は78.1%だった。
■お酌を強要:「酒席でお酌をしなかったことに対する叱責」も8割弱が「ハラスメントだと思う」
 酒席でお酌をしなかったことについて叱責されることは、全体で78.9%、男性で72.1%、女性で85.0%が「ハラスメントだと思う」と回答した。男女別では女性の方が高い割合を示した。世代別では「ハラスメントだと思う」と答えた割合が、Z世代が71.9%だったのに対し、ベビーブーマーは83.8%と、こちらもシニア層の方が高い割合だった。ちなみにY世代は74.6%、X世代は78.8%だった。
■勝手に注文:「確認されずに、勝手にビールを注文された」は過半数が「ハラスメントだと思う」
 お酒を飲むかどうかや飲む種類を確認されずに、勝手にビールを注文されたことは、全体で50.6%、男性で47.4%、女性で54.4%が「ハラスメントだと思う」と回答した。男女別では女性の方が高い割合を示した。世代別では、「ハラスメントだと思う」と答えた割合が、Z世代が61.5%だったのに対し、ベビーブーマーは45.6%と、若年層の方が高い割合だった。なみにY世代は55.4%、X世代は46.9%だった。
■パーソル総合研究所・研究員の金本麻里氏の結果考察
 アルコール・ハラスメント(略してアルハラ)とは、飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害を指す。今回の調査結果から、「飲み会欠席に対する叱責」「お酌をしなかったことに対する叱責」について、約8割の就業者がハラスメントだと感じることが明らかになった。従来、仕事上の人間関係を構築する手段でもあった「飲み会」「お酌」を拒否することへの叱責は、業務上必要かつ相当な範囲の指導だという反論もありそうだ(パワーハラスメントは業務上必要かつ相当な範囲を超えたものと定義される)。だが、法的にハラスメントにあたるかは別として、現在では多くの就業者がこのような叱責を、行き過ぎた指導だと感じていることがわかる。
 特に、女性や高年齢層では、ハラスメントと感じる人が多かった。ハラスメントだと思う基準は、人によって異なることが先行調査からわかっており、一般的に、女性は男性よりも厳しい基準をもち、若年層は逆に基準が緩い。ただし、唯一「勝手にビールを注文される」は、Z世代の方がハラスメントだと感じやすかった。上の世代に比べ、多様な個人の価値観が尊重される環境で育ったZ世代は、「とりあえずビール」に違和感をもつ傾向があるようだ。
 このようなはたらく人のアルハラへの意識の高さや、性別や世代による感覚の違いは、忘年会を楽しむうえで参考になるかもしれない。
※「はたらく定点調査」では、Z世代を15~26歳、Y世代(ミレニアル)を27~41歳、X世代を42~57歳、ベビーブーマーを58~69歳とそれぞれ定義

【調査概要】
調査方法:オンライン
調査時期:2023年3月
調査対象:15歳~69歳の男女(本業または副業ではたらいている人)
調査人数:100,000人

記事配信・制作協力/外食ドットビズ

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