限界を超えたその先で雄大に佇む、圧倒的な超絶景。そこで掲げる星のビールは、想像を絶するほど美しく、天にも昇るほどウマいはず。そんなスペシャルな瞬間を手に入れるため、あらゆる労力を度外視して突き進むビール業界の異端的プロジェクト、それがSAPPORO OVER QUALITY EXTREME。第9弾は北アルプスの大名峰、槍ヶ岳にアタック! 日本のマッターホルンと呼ばれる鋭利に尖ったその穂先に、サッポロビールの足跡を残す!
山好きなら誰もが一度は踏破したいと思う憧れの地、槍ヶ岳。その道のりは長く険しく、常に危険が付きまとう。ゆえに入山前の登山届は超マスト。もちろん担げる荷物も限られるため、今回は大切なおビール様も必要最低限に。新登場の本企画特製保冷バッグで、丁寧に丁寧にお運びします。
多くの山と同じく、槍ヶ岳にもいくつかのルートが存在する。中でも今回我々が選んだのが、梓川沿いに進む槍沢ルート。そのスタート地点は上高地。手入れが行き届いた芝生の上で最終荷物整理を行い、いざ出発! 清浄なる朝の空気を胸いっぱいに吸い込み、清々しい林道から歩みを始める。
しばらく林道を歩いていると、少し離れて聞こえていた川の流れる音が、すぐそこまで近づいてきた。梓川だ。槍ヶ岳の南斜面が源流だというこの清流沿いを進んでいく槍沢ルート。川の音を聞きながらの山行は、すこぶる快調。しかし我々は、このすぐ先に待ち受ける試練をまだ知らなかった……。
林を抜けるとブワッと一気に視界が開ける。四方に広がる雄大な景色に、一同のテンションもアップ。と、思ったのも束の間。歩けど歩けど、全然このゾーンが終わらない! 足元は大小さまざまな岩がゴロつくガレ場。歩きにくいし景色は変わらないし……。チームは早くも修行モード!
その後も延々と続く修行タイムに、普段賑やかなスタッフたちもすっかりダンマリ。極端に減る口数に反し、如実に増える休憩の回数。ポッカサッポロ『スポーツウォーター』で水分補給をしたり、超冷たい梓川の源流で顔を洗ったり。あの手この手のリフレッシュで、なんとか気持ちを繋ぎ止める。
景色は依然大きく変わることなく、かれこれ何時間が経過したのか。流石にマジで心が折れそうだ……。と、その時。今まで隠れていた槍の穂先が、ひょっこりと顔を現した。見えたー! けどまだ結構遠いー! しかしゴールが見えているのといないのとでは大違い。エンスト寸前だったチームに、再びヤル気の火が灯る。
眼の前にニンジンをブラ下げられた馬さながら、ゴールが見えていきり立つ一同は、そのままの勢いで尾根まで到達。驚愕のスピードで供給過多だった休憩時間を取り戻す。しかし件の尾根は、ナイフのように細く切り立つ危険地帯。さらに雲まで出てきている。気を引き締め直し、確実に歩みを進める。
かくして、ようやくこの日の休息地に到着。終わってみれば山岳ガイドも驚くほどの巻き返しで、予定時間どおりテント場に辿り着くことができた。疲れた足を引きずりながら、最後の力を振り絞りテントを設営。北アルプスの名峰たちを見晴らせる最高のポジションで、束の間の休息にありついた。
痛んだ体をいたわり、簡単な食事を済ませた後のリラックスタイム。不意にテントから外に出ると、頭上には満天の星空が。就寝寸前だったフォトグラファーを急いで叩き起こし、星空撮影を敢行。そこで撮影したのがコチラの1枚。星散り散りの天の川を網羅する、完璧な星空写真が収められた。
翌朝、まだ日が昇る前に起床。ヘッドライトを頼りに、ラストアタックへ向けて準備を進める。しかし辺りは真っ白な霧の中。というか、雲の中。槍が見えない……。不安に陥るも、雲が晴れた瞬間にはご覧の大絶景がお目見え。この時間、この天候でしか生まれない幻想的な風景に願いを込める。
天気は依然として好転しないが、ただ指をくわえて太陽待ちをしていられるほどヒマじゃない。しっかりヘルメットを着用し、ダメ元でラストアタックへチャレンジする。待ち受けるは、日本のマッターホルンもと呼ばれる槍ヶ岳の先の先。その雄々しい佇まいを見るだけで、寝ぼけまなこも一気に覚める。
さぁいよいよ和製マッターホルン制覇の時間! と意気込むも、相変わらず天気は回復せず。ターゲットを見上げてみれば、そこには濃いめの雲が掛かっている。とはいえもう我々は待っていられない。後のことは考えず、とにかく前へと進むOVER QUALITY精神で頂上を目指す!
険しく切り立った岩肌は、気持ち的にはほぼ直角。それはまさに登山ではなく岩登り。必死で岩肌にしがみつき、ただひたすら上を目指す。道中、鎖場が出現。さらに10mはあろうかというハシゴまで。目指すは標高3,180m。写真でお伝えできないのが残念だが、その高度感はマジ半端ない!
混雑時には数時間待つこともあるという槍ヶ岳の山頂アタック。しかしこの日はガラ空き。ガクブルの岩登りを無事にクリアし、極めてスムーズに全員山頂へ到着した。そりゃそうだ。だって真っ白だし。とはいえこの達成感に変わりはない。特製フラッグとともに、OVER QUALITYの足跡をここに!
当初は無謀かと思われた、日本屈指の名峰・槍ヶ岳に挑んだ、リアルガチな登山ロケ。そこで待ち受けていたのは、心を折るエンドレスなガレ場や、一瞬も気が抜けない切り立つ尾根など、和製マッターホルンの名に相応しい苦難の数々。しかもそれらを乗り越え到達した槍の穂先は、完全に雲の中。これじゃあ撮影できないよ……。しかし山の神は我々を見捨てなかった。下山開始予定時刻の直前、ほんの一瞬だけ雲がフッと晴れた。今だ! 素早く準備を整え、最ッッッ高の乾杯シーンを撮影! 標高約3,000mの天空に星のビールが輝いた。
※飲用シーンの描写は撮影上の演出であり、撮影中のアルコール飲用はありません。登山中や崖の近くなど、危険が伴う場所での飲酒は絶対におやめください。
無駄を省いたミニマムセッティングで、前人未到の乾杯を味わうエクストリームな本企画。その極限の撮影を敢行した張本人たちの、生の声を書き起こす連載コラム。それがSAPPORO OVER QUALITY PEOPLE。今回はスタッフY氏が体験した、リアルな現場感が語られる。
「鳳凰三山、大山と来て、これで3回目となるSAPPORO OVER QUALITY EXTREMEでの登山ロケ。またしても天気には恵まれませんでしたが、今回も粘って粘って、なんとか撮影完了することができました。けどラストカットの撮影中はシビれましたね。だって下山開始のタイムリミットの、本当にギリギリまでシャッター切ってましたから。本文中での描写はありませんが、そこからの急ぎっぷりは相当でしたよ。でもおかげで、なんとか日のある内に地上に到着。同行していただいた山岳ガイドさんもびっくりしてました(笑)。その甲斐あっての、この撮れ高。日本のマッターホルンと呼ばれる槍ヶ岳の雄大さと厳しさを、最大限お伝えすることができたと思います。まぁ帰宅後の筋肉痛はヒドかったですけど(笑)。でも終わってみれば、それもこれも全部いい思い出。今回も撮影という枠を超えた、素晴らしい体験ができました」。