膨大な時間と泣きが入るほどの苦労を経て、ようやく辿り着く大絶景。そこで飲むビールは、どう考えたって最高にウマいに決まってる。そんな当たり前だけど誰もやろうとは思わないエクストリームな撮影に、真っ向勝負でブチ当たる。それがSAPPORO OVER QUALITY EXTREME。第7弾は、中国地方の最高峰、大山(だいせん)山頂での乾杯に挑戦。シリーズ初の途中撤退を余儀なくされた因縁の第4弾『鳳凰三山編』のリベンジも込めた、リアルガチ登山の模様をお届けします。
日本百名山にも名を連ねる名峰、大山。そのお膝元は、読んで地の如くの鳥取県大山町。そんな彼の地を目指し、スタッフは一路空から鳥取入り。早速現地に向かう。と、その前に、まずは同県の絶対的象徴である鳥取砂丘にご挨拶。これから始まるリアルガチな撮影の成功を、大いなる砂の大地に願う。
当然ながら、登山の朝はすこぶる早い。しかも撮影を兼ねての山行となれば、ちょっとの出遅れも命取り。というわけでアタック前日、職業柄か人柄か、朝に弱い人間が多いチームスタッフは、万全を期して大山近くでキャンプイン。『星取県』との異名も取る鳥取の、満天の星空、ってわけにはいかなかったけど、それでも絵画のように美しい夜空の下でひと晩を過ごす。
明日に備えて、いつもより早めに夕食準備。ヘッドライトの光だけを頼りにちゃちゃっと手早く仕上げるも、やっぱりなんか物足りない……。そんな時に、サッポロ生ビール黒ラベル! フライングは重々承知ですが、1日の終りってことでご勘弁を。ほら、夜の大山とのツーショットもいい感じだし。
そして翌朝。昨晩の早寝と本番前の緊張が功を奏し、スタッフ全員かなり早めに起床。まだ暗いし夜明けの風景をひと目見ようと高台に登ってみると、そこにはご覧の通りの雲海が。う、美しい……。その壮大な景色に見惚れながらも、ふと気付く。これ曇りじゃん! まぁ山陰の天気は変わりやすいって言うし、気にしない気にしない。
依然として曇天模様の中、大山の麓へ到着。晴れを信じて登山届を提出したら、さぁ山登りの開始です。出だしは大神山神社へと続く石畳の参道から。天気は悪いけど、朝霧に包まれた空気が逆に気持ちいい。が、足元は非常に歩きにくい。自然とうつむき加減で歩いていると、にわかに辺りが明るくなってきた。
天然石を使った参道としては日本一長いという、大神山神社へ続く石畳の参道。そこから一本道を逸れると、第一の絶景スポットがお目見え。大山の北壁を見渡すその景色は、まさに圧巻。各人スマホを取り出し、撮影タイムが始まる。何より嬉しいのが大山上空の見事な快晴。気付けば我々の頭上の雲も残り僅か。山陰の天気は本当に変わりやすい!
石畳の参道を抜けると、本格的な登山道がお出迎え。改めて気合いを入れ直しつつ自然の山道を進んでいると、すぐに整備された丸太の階段ゾーンへ突入。こりゃ歩きやすくて助かるわ、なんて考えも束の間。待ち構えていた恐ろしく急な斜度に一同絶句。前言撤回。修行だ、これは。
延々と続く急斜度の丸太階段を修行者の気持ちで登り切ると、今度は広大に開けた川原状のエリアに到着。ここは通称『元谷』。先程の第一絶景スポットよりもさらに山懐深く、すぐ眼の前に大山を臨む次なる絶景スポットだ。ここでも自然と撮影タイムが始まる。かと思いきや、既にそんな余裕はない模様。まずはしっかり水分を補給して、あがった息を整える。
『元谷』を過ぎたら、ここからがようやく大山の始まり。つまり今までの道のりは、すべて前段。流石はかつて山岳信仰の修行場でもあったという霊峰。その厳しさは半端じゃない。畏怖の念を抱きながら、いざ入山。再び登場した急な丸太階段を無心で登り続ける。と、突如辺り一面が霧に包まれた。なんか嫌な予感……。ここで天候悪化はキツいっす!
まさかの天候悪化に怯えながらも、気持ちを折らずに登り続けることしばらく。あれ? さっきまでの霧が幻だったかのように消えていく。振り返ってみると、まさしく今歩いてきた道を厚めの雲塊が覆っている。あ、霧じゃなくて雲の中だったのね。ホッと胸をなで下ろすスタッフ一同。と同時に、雲の上まで登ってきたことを実感。さぁ頂上まであと少し!
試練の急登を経て最後に現れたのは、尾根伝いに続く長い木道。歩きやすく、さらに景色も最高なこの道は、ここまで頑張ってきた登山者たちを労うかのようなご褒美ゾーン。その超爽快な木道に、さっきまでの疲れも一瞬で吹き飛ぶ。今にもスキップしそうなくらいの軽い足取りで、その先に見える頂上を目指す。
そして遂に登頂成功! 乱れた呼吸を整えつつ、この神聖なる大山山頂の空気を存分に味わう。振り返ると、遥か彼方に大きな弧状の弓ヶ浜半島が。そして正面には立入禁止ゾーンとなっている剣ヶ峰。この雄々しくも雄大な景色に、我らOVER QUALITY EXTREMEの登頂旗が掲揚された!
中国地方随一の名峰にして、かつて山岳信仰の対象でもあった霊峰、大山。その雄大かつ神聖なる頂への道のりは、当然ながら長く険しく、まさにリアルガチなシーンの連続に。それでも折れることなく足を前に出し続け、遂にピークハントに成功! と同時に、悪天候に見舞われ退却を余儀なくされた、シリーズ第4弾『鳳凰三山編』のリベンジも完遂した。そんなシリーズ2回に渡る万感の思いを抱きながら、大山のてっぺんに、黄金のビールを掲げる!
膨大な時間と労力を経て辿り着いた超絶景の中で、前人未到の乾杯を味わうエクストリームな本企画。その極限の撮影に同行したサッポロビール社員が、リアルな感想から裏話までを明かす連載コラム。それがSAPPORO OVER QUALITY PEOPLE。今回は社員Y氏から生の声をお届けします。
「裏話までを明かすコラムとのことなので暴露してしまいますが(笑)、実は今回の大山ロケ、スタッフのみなさんは中1日で2回登ってるんですよ。っていうのも、1回目は早朝からずっと雨が降り止まず、7合目辺りで撮影を断念して引き返したんです。残念ながら私は、諸々の都合でその1回目だけしか同行できませんでした。けれどそんな過酷な雨登山の中でも、その逆境を楽しんでしまうくらいの雰囲気は流石OVER QUALITY。私自身も相当キツかったですが、最後まで雨の大山を楽しめました。そして何よりスゴイのが、短い撮影日程の中で再トライして、見事に撮り切ってしまうところ。やっぱりこの企画は何か持ってますね。個人的には、『星取県』とも言われる鳥取の星が撮影できたことも嬉しかった。『満天の』とまではいかずとも、この悪天候の中であそこまで美しい夜空が撮影できたことは、ある意味奇跡だと思います」。