持続可能な麦芽・ホップ調達
~未来のおいしさをカイタクする。原料への徹底したこだわり~

“真においしいビールは良質な麦芽とホップからつくられる”

サッポロビールはこの信念に基づき、日本、そして世界の生産者と共に、麦芽とホップを調達してきました。サッポロビールはこれからも、麦芽・ホップのプロフェッショナルである“フィールドマネージャー”を中心に、お客様においしいビールを提供し続けるため、“持続可能な麦芽・ホップ調達”に取り組み続けます。

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フィールドマネジメント

フィールドマネジメントアイコン
フィールドマネジメント

サッポロビールには、育種、栽培、加工の知識と経験を有する フィールドマネージャー と呼ばれる麦芽、ホップのプロフェッショナルがいます。フィールドマネージャーは、世界中の生産者を訪問し、麦芽、ホップに関する有用情報の提供、支援を行うととともに、地域毎、生産者毎に作成した フィールドカルテ を用い、持続可能な麦芽・ホップ調達 につながる情報を収集しています。また、これらの活動を通して、高齢化による後継者不足等、様々な課題に直面する日本の大麦・ホップ栽培振興にも取り組んでいます。

 

品質

多様なお酒のおいしさにつながる大麦・ホップの品種開発

サッポロビールは創業当初から、大麦とホップ両方の「育種」に取り組む世界でも珍しいビール会社です。旨さ長持ち麦芽の原料となる「LOXレス大麦※」、唯一無二の香りを有するホップ「ソラチエース」等、これまでも、お酒のおいしさにつながる品種を開発してきました。そしてこれからも、フィールドマネージャーと醸造技術者が協働し、新たなお酒のおいしさをお客様にお届け続けます。
※ビールの風味を劣化させる成分(LOX-1<ロックスワン>:脂質酸化酵素)を持たない大麦

ビールのおいしさを損なう、脂質酸化のメカニズム
ビールのおいしさを損なう、脂質酸化のメカニズム
「ソラチエース」 の香り成分
「ソラチエース」 の香り成分

”協働契約栽培”を中心とした当社独自の原料調達システムによる安全・安心

“協働契約栽培”を中心とした当社独自の原料調達システムによる安全・安心

生産者とともに畑から原料を一緒につくる「協働契約栽培」をはじめ、これらの取り組みを通して培った技術を通し、安全・安心で高品質な麦芽、ホップを世界中の生産者と協働し確保しています。

新たなおいしさにつながる麦芽・ホップを世界から

新たなおいしさにつながる麦芽・ホップを世界から

フィールドマネジメントを通して、新たなおいしさにつながる麦芽、ホップをカイタク、醸造技術者と協働することで、おいしいビールとしてお客様にお届けしています。

安定調達

安定調達。良質な麦芽・ホップを世界各地の生産者とともに

新たなおいしさにつながる麦芽・ホップを世界から

ビールの原料は農産物であるため天候の影響を受けやすく、良質な麦芽・ホップの供給産地は限られています。そこで、フィールドマネージャーがパートナーである世界中の生産者と密なコミュニケーションを図りながら、大麦・ホップの産地を世界各地に分散させ、良質な原料の安定的な確保に取り組んでいます。また、フィールドマネージャーが生産者を定期的に訪問し、現地の状況を確認しています。この取り組みを通じて、人権の尊重と持続可能な調達を実現しています。

  

環境との調和

  

気候変動に適応した大麦・ホップの品種開発

気候変動に適応した大麦・ホップの品種開発
気候変動に適応した大麦・ホップの品種開発

気候変動が引き金となり、異常気象に伴う農産物の病害や干ばつ、収量減などのリスクが高まっています。このような環境変化に対して、サッポロビールは育種に関する知見やノウハウをもとに、農業性に優れた高品質な品種開発を行っています。北海道限定商品「クラシック富良野ヴィンテージ」に使用される「フラノスペシャル」と呼ばれる高品質なホップもその成果の一つです。

環境に配慮した農業技術研究

農業技術の研究を通して、脱炭素社会、自然共生社会につながる取り組みにも挑戦しています。
2024年には、空気中の窒素を利用し肥料を削減する研究を、住友商事株式会社とともに開始しました。同取り組みを通して、窒素肥料の適正化による温室効果ガス削減、水質汚染の抑制を目指します。

生産者とともに。環境との調和につながる麦芽・ホップ調達

生産者とともに。環境との調和につながる麦芽・ホップ調達

フィールドマネージャーは、世界中の生産者を訪問し、脱炭素社会、自然共生社会につながる麦芽・ホップのカイタクを続けています。当社が品種開発した気候変動に適応した品種の普及もその取り組みの一つです。
また、2024年には、日本で初めて、フランス大手製麦会社Soufflet Malt(スフレモルト)」社が提供する環境負荷を低減した大麦(麦芽)を用いたビール造りも開始しています。

大麦、ホップの遺伝資源の維持と活用

大麦、ホップの遺伝資源の維持と活用

サッポロビールの研究所では、国内トップクラスの大麦、ホップの遺伝資源を保管・維持しています。いろいろな遺伝的特徴を持った品種の種子を収集し、交配を重ねて新たな有用品種を生み出すと同時に、世界の共同研究機関に種子を提供しています。フィールドマネージャーは研究者と協働し、これらの活動を支えています。

社会との共栄(生産者との協働)

国産大麦、国産ホップ生産を支える品種開発

国産大麦、国産ホップ生産を支える品種開発

前述の通り、サッポロビールは創業当初から、大麦とホップ両方の「育種」に取り組む世界でも珍しいビール会社です。これまでに、品質、収量、栽培性等、優良な品種を開発し、世に送り出してきました。そして、現在、北海道のビール大麦、ホップを開発する育種機関は、サッポロビールのみとなっています。気候変動の影響が深刻になる中で、新たな品種の開発は、今後の国産大麦、国産ホップを支える上で重要な取り組みであり、サッポロビールはこれまでも、そしてこれからも、優良な品種開発を通して国産大麦、国産ホップの生産を支えます。

国産ホップ生産を支える(技術支援・苗供給)

国産ホップ生産を支える(技術支援・苗供給)

日本のホップから新たなビールのおいしさをお届けしたい。
「ソラチエース」、「リトルスター」、「フラノスペシャル」等、日本で生まれ、丹念に育てられたこれらのホップは、醸造工程を経て、個性あふれるおいしいビールに生まれ変わります。新たな品種開発に加え、苗の供給、更には経験の浅い生産者への栽培支援等、フィールドマネージャーは、お客様においしいビールをお届けするために生産者とともに歩み続けています。

国産大麦生産を支える(衛星モニタリングを用いた圃場管理)

農業生産の効率化を通して、日本の農業を支えることを目的に、2023年より社外パートナー(ListenField社)と協働で、北海道での大麦栽培において、衛星モニタリングや生長シミュレーションを用いた圃場管理・予測技術の開発に取り組んでいます。これらの取り組みにより得られた技術的な知見は適宜、生産者に共有しています。

ウィルスフリー技術によるチェコザーツ品種危機回避

ホップの萌芽(直後)
ホップの萌芽(直後)
ホップの萌芽(2~3週間後)
ホップの萌芽(2~3週間後)

チェコのザーツ地方は、世界有数の品質を誇るホップの産地です。しかし1970年ごろからウイルスにより品質が低下し、収穫量も低下しはじめました。この危機を救ったのが、サッポロビールの組織培養技術でした。1989年、サッポロビールが技術指導して、ウイルスフリーの苗を作出。これを栽培した結果、チェコのザーツ地方のホップは、再び従来の品質を取り戻しました。この信頼のつながりは現在も続いています。