第三のビール「ドラフトワン」で新ジャンルを開拓

第三のビール「ドラフトワン」で新ジャンルを開拓

第三のビール「ドラフトワン」は1999年に開発がスタート。当時の発泡酒の人気を分析し、“苦味が少なくスッキリとした味”という新たなニーズを見出します。そこで開発チームは、「麦芽や麦をまったく使わないアルコール飲料」の開発に取り組み、4年の歳月をかけてビールの歴史を変える新原料「エンドウたんぱく」を発見。2004年に「サッポロ ドラフトワン」の全国展開を開始すると当初の年間販売目標を大きく上回り大ヒット。サッポロが切り開いた新ジャンルのアルコール飲料は「第三のビール」と呼ばれるようになり、ビールテイスト飲料の中でも大部分を占めるひとつのジャンルとして確立されました。

新たなニーズは“苦味が少なくスッキリした味”

新ジャンルのパイオニア商品となる「ドラフトワン」の開発は、1999年(平成11)に始まります。当時は発泡酒の出荷が大きく伸びており、その人気を分析すると、価格の安さだけではなく、スッキリとした味への評価が高いことがわかりました。さらに、ビール特有の苦味を好まない人が増えていることも浮き彫りになり、そこで"苦味が少なくスッキリとした味"への研究が始まりました。

麦芽や麦を使わないアルコール飲料への挑戦

一般的に「苦い味」には、苦味と渋みが含まれるといわれています。研究により、ホップの量を調節することで、苦味をコントロールすることが可能となりました。そして、渋みの主な原因物質となるのは、麦芽の穀皮に含まれるタンニン。しかし、これを除去するのは非常に困難であったため、サッポロの開発チームは「麦芽や麦をまったく使わないアルコール飲料」の開発に狙いを定めました。

ビールの歴史を変える新原料、エンドウたんぱくの発見

ビールの長い歴史は、紀元前数千年前に遡ります。その中でずっと使われ続けてきた麦に代わる原料を見つけることは、非常に困難なものでした。アワ・ヒエ・トウモロコシ・大豆など様々な食材で実験が行われましたが、ことごとく失敗。そして、4年の歳月をかけてようやく見つけ出した原料が「エンドウたんぱく」でした。特定アレルギー物質に含まれていないこと、遺伝子組み換え品種が流通していないことも選定の重要な基準になりました。

新ジャンルのアルコール飲料「サッポロ ドラフトワン」発売

全国展開当初のドラフトワン
全国展開当初のドラフトワン

「サッポロ ドラフトワン」は福岡・佐賀・長崎・大分の九州4県での先行発売を経て、2004年(平成16)2月に全国展開が始まりました。原料に麦も麦芽も含まないため酒税の負担率が低く、小売価格125円(350ml缶)の低価格を実現。スッキリとした味わいとのど越しも評価され、CMも話題となり、「2004年日経優秀製品・サービス賞」の「最優秀賞日本経済新聞賞」を受賞しました。

第三のビールとして広く普及

第三のビールとして普及したドラフトワン
第三のビールとして普及したドラフトワン

サッポロ「ドラフトワン」は発売初年度から大人気を博しました。当初の年間販売目標1000万ケースを大きく上回り、1800万ケースを超える販売実績を築きます。この大ヒットにより、他のビールメーカーも相次いで新商品を投入し、新ジャンルのアルコール飲料は「第三のビール」と呼ばれるようになります。ドラフトワンもリニューアルを重ね、2019年(令和元年)にはスッキリとした味わいを想起させるデザインにブラッシュアップしています。