主役は熱処理ビール
![熱処理「サッポロビール」](/company/history/img/1977_img01.jpg)
今では日本のビールの95%以上が生ビールとなっていますが、1970年代後半まではびんや缶のビールは熱処理ビールが主役でした。多くの飲食店では、樽生ビールは夏場だけ提供し、冬場は熱処理したびんビールを提供することが多かったのです。それは、消費者にとって生ビールは夏の飲み物とのイメージが強く、冬場は人気がなかったからなのです。
無菌ろ過システム
![セラミックフィルター](/company/history/img/1977_img02.jpg)
当社では、ビール本来の美味しさは「生」にある、の考えから、1957(昭和32)年以降、びん詰めした生ビールの商品開発に取り組んできました。課題であった、役割を終えた酵母の除去のため、当社の技術陣は各工場で複数のフィルターを試験しました。そして、ビールの味を損なうことなく酵母を除去する、無菌ろ過システム「セラミックフィルター」を独自に開発したのです。
ビールの流れを変えた「サッポロびん生」
![1977年の「サッポロびん生」のポスター](/company/history/img/1977_img03.jpg)
![「サッポロびん生」](/company/history/img/1977_img04.jpg)
樽生ビールはサッポロライオンなどビヤホールでの実績があり、生はサッポロがうまい、との評判を得ていました。当社では競争関係で優位にある生ビールを全面に打ち出すことを決定。1977(昭和52)年4月、「サッポロびん生」を全国発売しました。営業活動に際しては、生ビールは夏の飲み物だ、との常識をいかに覆すかが課題でした。びん生は一年中おいしく味わえる商品であることを訴求。びん生発売前年では生ビール比率が9%でしたが、発売以降は13%まで伸張しました。サッポロびん生は、本格的な生ビール時代の幕開けを告げる商品だったのです。
サッポロワインの誕生
勝沼ワイナリーの竣工
![勝沼ワイナリー](/company/history/img/1977_img05.jpg)
1974(昭和49)8月、ワイン事業への参入を決定した当社は同年12月、丸勝葡萄酒株式会社の全株式を取得。丸勝葡萄酒とは1962年、山梨県勝沼町のブドウ栽培農家が出資して設立された小さな会社でした。翌年3月に、ワイナリー用地として勝沼町内に9,700㎡ほどの土地を購入。1976年2月から建設に着工し、同年9月にワインの仕込を開始します。1977年1月、丸勝葡萄酒はサッポロワイン株式会社と社名変更、4月には勝沼ワイナリーが竣工しました。
サッポロワイン「ポレール」発売
![サッポロワイン「ポレール」](/company/history/img/1977_img06.jpg)
1977(昭和52)年5月、サッポロワイン「ポレール」が発売されました。ポレールとは北極星を意味するフランス語。当社らしい名前といえます。ポレールの醸造上の特徴はビールの醸造技術を応用した、わが国初のクールドワイナリーシステム(低温管理ワイン醸造システム)を採用した点にあります。このシステムで造るワインは、新鮮なぶどうの持つフレッシュでデリケートなフレーバーを豊かに生かし、適度な酸味とスッキリした口あたりの本格ワインができることです。