1888年 熱処理ビール「札幌ラガー」

「札幌ラガービール」のラベル
「札幌ラガービール」のラベル
新法ラガービールの発売広告(1888年8月17日付「函館新聞」)
新法ラガービールの発売広告
(1888年8月17日付「函館新聞」)

1888(明治21)年8月に発売された「札幌ラガービール」のラベルには「DAMPF-BIER」と表示されていました。このDAMPFとはドイツ語で蒸気の意味。つまりは熱処理したビールのことです。熱処理ビールの利点は、びん内に残った酵母を加熱して死滅させるため、耐久性が向上し、長距離輸送に耐えられるようになったことです。ビールの販路拡大に大いに寄与したと言えます。
また、札幌から東京までの輸送では、低温を保つため夏場は氷と共に出荷していたが、 高価な天然氷を使わずに輸送できる熱処理ビールは大幅なコスト削減をもたらしました。